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【2025年シーズン展望~ア・リーグ西地区~】9年ぶりの首位奪還へベテラン勢を結集

2025.3.20 12:44 Thursday

 順位予想では3チームが抜け出しているア・リーグ西地区。なかでも1位予想のレンジャーズが大胆な補強を行っている。

 まず、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予測システムである「PECOTA」が3月18日(日本時間19日)に更新した順位予想を見てみよう。

1 レンジャーズ(88.9勝73.1敗/勝率.549 /ポストシーズン進出確率74.5%)
2 アストロズ(87.9勝74.1敗/勝率.543/ポストシーズン進出確率70.0%)
3 マリナーズ(86.6勝75.4敗/勝率.535/ポストシーズン進出確率63.8%)
4 エンゼルス(74.7勝87.3敗/勝率.461/ポストシーズン進出確率5.4%)
5 アスレチックス(71.9勝90.1敗/勝率.444/ポストシーズン進出確率2.1%)

 昨季までアストロズが4年連続で地区を制したが、今季は三つ巴の争いとみられている。そのなかで、優位と推されているのがレンジャーズだ。2023年にワイルドカードからチーム初の世界一に輝くも、昨季は勝率が5割にも届かず3位に。チームの立て直しに向けて動いたのが経験豊富なベテランの獲得だった。

 昨年12月には、ダイヤモンドバックスからFAとなった昨季23本塁打のベテラン、ジョク・ピーダーソンと契約。経験豊富なベテランを打線の中心に据えることで強化を図った。

 さらに、カービー・イェーツ、デービッド・ロバートソンら主力救援投手流出の穴埋めとして、FAになった30代のベテランを次々と獲得。「2025年シーズン限りで引退する可能性は95%」と昨年9月に発言し、レッドソックスからFAとなった38歳のベテラン救援右腕クリス・マーティンと1年契約を結んだ。

 マーティンは2014年にメジャーデビューし、2016~17年は北海道日本ハムでも活躍。メジャー復帰後は制球力抜群のリリーフ投手としてコンスタントな活躍を見せ、昨季はレッドソックスで45試合に登板して44回1/3を投げ、与四球わずか3、与四球率0.61、K/BBは驚異の16.67と抜群の制球力は健在だった。

 先発投手では、オフにFAとなるも再契約し、2年連続で開幕投手に指名されたネイサン・イオバルディと、サイ・ヤング賞2度受賞で2023年に受けた2度目のトミー・ジョン手術から復帰するジェイコブ・デグロムの両ベテランが牽引。さらに、3月18日(日本時間19日)にはナショナルズからFAのベテラン、パトリック・コービンとも契約を結んだ。

 地区4連覇中のアストロズは、2023年の打点王であるカイル・タッカーがトレードでカブスに移籍。投手陣では菊池雄星がエンゼルス、ベテランのジャスティン・バーランダーはジャイアンツへともにFAで移籍した。

 タッカーとのトレードでカブスから加入したメジャー3年目のヘイデン・ウェスネスキー(3勝6敗、防御率3.86)が5番手と厳しい状態で、多くの先発投手が故障者リストに入っている。また、FAのアレックス・ブレグマンとの再契約もまとまらず、ブレグマンはレッドソックスと3年契約で移籍となった。

 3強のもう1つ、マリナーズは自己最多の34本塁打、100打点をマークしたカル・ローリーと、2023年は32本塁打103打点のフリオ・ロドリゲス、そして昨季途中にレイズから加入した4年連続20本塁打のランディ・アロサレーナらの活躍が必須。昨季、防御率メジャートップの最強投手陣は今季も健在で、その高いローテーションの壁にマイナー契約から藤浪晋太郎が挑んでいる。

 エンゼルスは昨季、屈辱の99敗を喫するも、課題だった投手陣を積極補強。移籍1年目の菊池雄星は開幕投手に抜擢され、カブスからFAのベテラン右腕カイル・ヘンドリックス、レッドソックスからFAとなった現役最多447セーブのケンリー・ジャンセンも加入した。しかし、昨季23本塁打、30盗塁を記録したザック・ネトは11月に右肩の手術を受け、アンソニー・レンドンは左股関節の故障で開幕は故障者リストで迎える。

 2028年からのラスベガス移転にともない、今季から名称に地名を冠さないアスレチックスは最下位予想だが、先発1番手に昨季11勝を挙げ、メッツからFAとなったルイス・セベリーノ、2番手にはレイズからトレードで獲得したジェフリー・スプリングスが名を連ねる。39本塁打のブレント・ルーカーをはじめ、計4選手が20本塁打超えの攻撃的打線に、先発からクローザーに転向して28セーブを挙げた100マイル超えの豪腕メイソン・ミラーの奪三振ショーといった見どころも健在だ。

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