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ロッキーズ右腕が103年ぶり珍事 5回途中9安打でも無失点

2025.3.30 13:07 Sunday

【ロッキーズ2-1レイズ】@ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド

 日本時間3月30日、ロッキーズは持ち前の堅守を発揮し、今季初勝利をマーク。ロッキーズ先発のアントニオ・センザテラは4回1/3を投げて9安打2四球0三振、そして16本のハードヒット(打球速度95マイル以上の当たり)を許しながらも無失点でレイズ打線をかわし、今日の勝利を演出した。米公式サイト「MLB.com」のトーマス・ハーディング記者が報じている。

 先発のセンザテラは初回からいきなり4本のハードヒットを浴びてしまう。しかし、その内安打になったのは2本だけ。さらに二死1塁からレフト線への二塁打を打たれ、一塁走者が本塁へ突入したが、ここは左翼手ジョーダン・ベックと遊撃手エゼキエル・トーバーが完璧に中継をつなげて本塁でタッチアウトに。さらに2回も、一死1・2塁から浴びた打球速度約162キロ(100.5マイル)の打球が三遊間を襲ったが、ゴールドグラバーのトーバーがファインプレーでアウトにしてみせた。

 また、センザテラは3回にも先頭に安打を許したが、続く打者が放った約174キロ(108.3マイル)の強烈な当たりが、ダブルプレーとなってあっさりと二死を稼いだ。そこからまた二塁打と四球でピンチを招き、続く打者の放った当たりはライト前へ抜ける安打に。しかし、右翼手ニック・マルティーニが完璧なバックホームを投じて本塁に突入した二塁走者を刺し、失点をここでも防いだ。

 そして、5回の先頭には右中間にバレル性の打球を打たれたが、中堅手のブレントン・ドイルがダイビングキャッチ。バレル性の打球は打率が5割を超える打球分類だが、ここもロッキーズ自慢の守備力が光った。その後、センザテラは2本の安打(いずれもハードヒット)を許して降板。この日、センザテラは16本のハードヒットを浴びたが、そもそも被打球は19本と、ほとんどがハードヒット(打球速度95マイル以上)だった。さらに、ハードヒットではなかった3本の被打球も、いずれもMLBの打者の平均打球速度に近い約88マイルを超えていた。

 しかし、ロッキーズは攻撃でもドイルのタイムリーなどで2点を入れ、継投も盤石だった。最後は注目の剛腕セス・ハルバーセンが4アウトセーブで締めくくった。レイズが19本のハードヒット、12本の安打を放ったのに対し、ロッキーズはハードヒット8本で6安打のみ。しかし、勝者は2対1で逃げ切ったロッキーズだった。

 センザテラの投球内容は歴史的に見ても希少だった。9安打を許しながら無失点に抑えたのは、1986年以来の珍事。さらに5回未満で9安打無失点無三振を記録したのは、1922年以来だった。ロッキーズを支える23歳のトーバーは「どんな投手でも守備をするのが野手としての我々の仕事だ。今日はそれが『センザ』だっただけだ」と淡々とコメント。「打たれても取り続ける」守備力がロッキーズに今季初勝利をもたらした。


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