English Español 韓国語

レイズに新たな怪物現る 剛腕モンゴメリーはチャップマンの再来か

2025.4.6 09:24 Sunday

 無名の投手を一流投手に“魔改造”する手腕から、投手工場として知られるタンパベイ・レイズ。その工場の最新作となる投手が、今季早くも現れたかもしれない。それが、快速球を披露して話題を読んでいる24歳のメイソン・モンゴメリーだ。モンゴメリーは昨季途中までは平々凡々なマイナーリーグの先発投手だったが、わずか1年足らずの間でメジャー有数の剛腕へと変貌を遂げた。米公式サイト「MLB.com」が報じている。

 現在24歳のモンゴメリーは、2021年ドラフト6巡目でレイズに入団。元々は先発の有望株として高く評価される存在だった。2022年には早速頭角を現し、A+級とAA級で27先発、防御率2.10、9回あたりの奪三振数12.41個と好成績をマーク。フルシーズンデビューのシーズンにいきなり球団のマイナー最優秀投手に輝いた。しかし、AA級とAAA級でプレーした2023年、そしてAAA級でプレーした昨季とその成績は徐々に悪化。昨季の8月からレイズはモンゴメリーをリリーフに転向させることを決断した。

 リリーフ転向の成果はすぐに現れた。転向後のAAA級での10登板で失点はゼロ、20三振を奪い、9月にはメジャー初昇格まで果たした。メジャーの舞台でも9登板で防御率1.86、17奪三振と無双状態。その理由は単純で、リリーフに回ったことで球速が大幅に上昇したことにある。1イニングに集中するようになり、球速は先発時から3マイル(約5キロ)近くアップ。昨季は平均で97.3マイル(約157キロ)に達していた。

 そして今季、モンゴメリーの球速は右肩上がりの上昇を続けている。先日のパイレーツ戦では自己最速の102.2マイル(約164キロ)を計時。それだけではなく、平均球速も昨季から2マイル近く高い99.8マイル(約160キロ)を記録している。平均球速99.8マイルは“速球王”アロルディス・チャップマンより2マイル近く高く、メジャーリーグの左腕全体でダントツ。また、もし仮に平均球速99マイル以上でシーズンを終えれば、チャップマンに続いて史上2人目の左腕となる。そして、最速102マイル以上を叩き出した左腕は史上3人だけだ。

 そして、モンゴメリーの4シームは速いだけではなく、質もずば抜けている。ボールが生み出した縦変化量(IVB)は平均を3インチ近く上回る19.3インチと、打者からは浮き上がるような変化を描いている。これは、同じく浮き上がるような4シームを武器とする今永昇太(カブス)の4シームの縦変化量(IVB)19.0インチを上回る高数値だ。

 さらに球速や球質以上に、モンゴメリーの4シームは打ちにくい球種かもしれない。モンゴメリーは俗に言う“球持ち”に優れ、エクステンションは平均以上の数値を記録している。

 「MLB.com」によれば、今季のモンゴメリーの4シームと最も近い数値(球速、縦変化量、エクステンション)を残していたのは、2015-17年のアロルディス・チャップマンしかいないという。その時期のチャップマンは176登板で防御率2.06、9回あたりの奪三振数14.2個と素晴らしい成績を残し、メジャーリーグ屈指の守護神として君臨した。弱冠24歳のモンゴメリーも、チャップマンが辿ったスターダムをなぞるかもしれない。

spotvnow