オリオールズ・菅野がメジャー初勝利 4シームが空振り5つと機能
2025.4.6 11:08 Sunday
【オリオールズ8-1ロイヤルズ】@カウフマン・スタジアム
日本時間4月6日、オリオールズの菅野智之が記念すべきメジャー初勝利を挙げた。菅野はロイヤルズ打線を5.1回に渡って1失点に抑え、味方打線も12安打8得点と爆発。投打が噛み合い、オリオールズは今季4勝目を挙げて借金を1に減らした。ロイヤルズは先発のマイケル・ワカが4失点を許して今季2敗目を喫した。
気温7度という厳しい寒さの中、菅野の球速は前回登板から約3-5キロ(2-3マイル)近く低下。今日の最速は約149.6キロ(93マイル)に過ぎず、これは前回登板ではシンカーの平均球速が約150.6キロ(93.6マイル)だった。しかし、菅野は寒さをものともせず。6つの球種をそれぞれ10球以上投げ分け、老獪な投球を展開した。
今日の菅野の大きな武器となったのが、4シームだった。今日は4シームを全体の16%の割合でしか投じなかったが、全球種中最多の5つの空振りを誘発。今日は平均球速約146キロと、MLB基準では遅い部類に入る4シームを、菅野は日本時代よりも投球割合を抑えて慎重に用いている。
しかし、菅野の4シームはMLB基準でも優秀なデータを残している。空振りを奪えている理由は、菅野の4シームの縦変化量の豊富さだろう。菅野の4シームのボールが生み出した縦変化量(IVB)は、今日も平均で18インチ(約45.7センチ)と、平均を2インチほど上回っている。これにより、菅野の4シームは打者にとっては浮き上がるような変化を描くことができている。空振りを多く奪う上で縦変化量は重要な要素になる。
菅野は5回にボビー・ウィットJr.にソロ本塁打を浴びただけで、5.1回1失点4奪三振1四球の好内容で降板。その後はブライアン・ベイカー、キーガン・エイキン、マット・ボウマンが引き継ぎ、ゲリー・サンチェスやジャクソン・ホリデイら下位打線が奮起して得た大量リードを守り抜いた。開幕2シリーズ目のレッドソックスとのシリーズに負け越し、ややスロースタートとなっているオリオールズだが、オールドルーキーの初勝利から勢いを生み出したい。