1イニング16得点 「クレイジー」な打ち合いでカブスがDバックス下す
2025.4.19 13:36 Saturday
【ダイヤモンドバックス11-13カブス】@リグレー・フィールド
日本時間4月19日、8回の表裏で両軍16得点を入れる壮絶な打ち合いを制し、カブスがダイヤモンドバックスとの3連戦の初戦を制した。カブスは7対1とリードして迎えた8回、ダイヤモンドバックスに10失点を喫し、一気に試合をひっくり返された。しかし、その直後の8回裏、カーソン・ケリー、カイル・タッカー、鈴木誠也の3人が本塁打を放って逆転。勝利したカブスはブリュワーズに1ゲーム差を付けてナ・リーグ中地区首位をキープした。
カブスは2回、8番カーソン・ケリーがダイヤモンドバックス先発のコービン・バーンズから2ラン本塁打を放って先制。バーンズはその後サイ・ヤング賞投手の貫禄を見せ、6回2失点にまとめ上げ、先発の役割を果たした。ただ、カブス先発のコリン・レイも4.2回を1失点に抑え、その後カブスのブルペンも好投。7回には1番イアン・ハップの2号グランドスラムなどで一気に5点を追加して7対1となり、そのまま逃げ切るかと思われた。
しかし、カブスは今日昇格したばかりの5番手ジョーダン・ウィックスが誤算。3連打を許して降板すると、代わったセットアップのポーター・ホッジは7番エウヘニオ・スアレスに6号グランドスラムを献上し、点差は2点に縮まる。その後、二死2・3塁のチャンスを作ると、2番ヘラルド・ペルドモと代打から入ったランドール・グリチックが連続タイムリーで逆転。さらに5番ルルデス・グリエルJr.が3ラン本塁打を放ち、この回一挙10得点を挙げた。
4点のリードを得たダイヤモンドバックスだったが、なんと継投に失敗。7回から回を跨いだ3番手ブライス・ジャービスは連続四死球からケリーに今日2本目となる3ラン本塁打を献上して1点差に。さらに代わったジョー・マンティプライも2番カイル・タッカーに6号逆転2ラン、3番鈴木誠也にダメ押しの5号ソロを浴び、カブスはまたしてもリードを奪った。カブスの守護神ライアン・プレスリーは9回裏を無失点に抑え、カブスは二転三転の接戦を制した。
カブスのクレイグ・カウンセル監督は「長く続けていれば、多くのことを見ることになる。でも本当にクレイジーだった」とコメント。7回裏になるまでは2対1と普通の展開だったにもかかわらず、試合の歯車が逆に回りだしたその要因は、ダイヤモンドバックスブルペンの疲弊も大きな部分を占める。ダイヤモンドバックスは今日の試合まで5連勝中で、ブルペンの勝ちパターンの登板が重なっていた。守護神AJ・パク、ジャスティン・マルティネス、ジェイレン・ビークスは今日投げれば3連投目、ライアン・トンプソンも前日に33球を投じていた。ダイヤモンドバックスはロングリリーフの2番手ライン・ネルソンに8回まで投げてもらい、9回を前日は登板していなかったシェルビー・ミラーに託すつもりだった。しかし、ネルソンは5失点と誤算。ブルペン内では序列の低いジャービスとマンティプライに8回を託したが、裏目に出てしまった。
米公式サイト「MLB.com」のサラ・ラングス記者によれば、1イニング16得点は100年以上の歴史を持つリグレー・フィールドで最多。1イニング10失点以上許して勝ったチームは、1900年以降では史上7チームしかいないという。