マリナーズの右腕ギルバートが負傷降板 上腕部の張り訴える
2025.4.26 17:18 Saturday
日本時間4月26日、マリナーズのエース右腕ローガン・ギルバートがマーリンズ戦の先発をわずか3回で負傷降板した。当初、ギルバートの降板理由は、トミー・ジョン手術につながる予兆とも言える「右上腕部の張り」と伝えられた。米公式サイト「MLB.com」のダニエル・クレイマー記者が報じている。
今季6先発目となるきょうのマーリンズ戦に登板したギルバートは、明らかに球速が低下していた。4シームの平均球速は約1.8キロ落ちて約152キロに下がり、きょう投げたスライダーとカーブもそれぞれ約1.6キロ近く遅かった。ギルバートはウォームアップ中には異変に気付き、肘への負担を考慮して決め球スプリッターをきょうは1球も投じないことに決めたという。
ギルバートはこれまで故障と無縁のキャリアを送り、デビューしてから一度も故障者リストに入ったことがない。MLB屈指の剛腕とあって、その肩肘には常人以上に負担がかかっているはずだが、ギルバートは高い自己管理能力を備えているようだ。「ここ1、2週間は本当にゆっくりやっていた。普通、先発の日はアドレナリンも出て状態が良くなって、痛みが消えるものだけど、きょうはそうならなかった」とスローペースで調整していたにもかかわらず、異変を来したことを漏らした。一方で「それほどひどく悪化することはなかったのでよかった」と、大事になる前に降板を選んだようだ。
「上腕部の張り」はトミー・ジョン手術につながることも多いが、マリナーズとギルバートは最悪のケースを避けることはできるだろうか。クレイマー記者の情報筋によれば、初期の検査では「多少」の懸念は見られたものの、右肘尺側側副靭帯(UCL)に損傷はないという楽観的な見方もあるようだ。マリナーズはあす再びMRI検査を行う予定で、そこでより詳細な状態が明らかになるだろう。
マリナーズは既に、ギルバートと双璧を成すエース右腕ジョージ・カービーを故障で失っている。ここまでア・リーグ西地区2位につけるマリナーズにとって、強力な先発ローテはチームの生命線だ。仮にギルバートが長期離脱すれば、プレーオフの舞台に戻るハードルはさらに上がるだろう。