ジョケッティ氏が死去 カージナルスやレッズのGMを務める
2025.4.27 08:29 Sunday
日本時間4月27日、カージナルスやレッズでGMを務めたウォルト・ジョケッティ氏が亡くなったことをカージナルスが発表した。ジョケッティ氏は最優秀エグゼクティブ賞に3度輝いた名GMで、特にカージナルスではアルバート・プホルスやヤディアー・モリーナらを獲得して育て上げ、2006年に世界一を達成。闘病の末、74歳でこの世を去った。米公式サイト「MLB.com」が報じている。
カージナルスの会長兼最高経営責任者(CEO)であるビル・デウィット・ジュニア氏は「セントルイス・カージナルス組織全体を代表し、ウォルトのご家族と多くのご友人の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます」と声明で述べた。「ウォルトは、カージナルス買収時の初代GMであり、球団史上最も成功し、記憶に残る数々の年において、球団運営を牽引する力強い存在でした。彼の不在は深く惜しまれる一方で、野球界における輝かしいキャリアは長く記憶に残ることでしょう」とジョケッティ氏の功績を称えた。
ジョケッティ氏は1980年からアスレチックスでフロント職に就き、同球団で14年間、マイナーリーグ運営部長や野球運営部長を務めた。サンディ・オルダーソンGMの右腕として、1988~90年のリーグ3連覇と1989年の世界一に貢献。さらに後にカージナルスで二人三脚で王朝を築き上げるトニー・ラルーサ監督との関係も、アスレチックス時代に生まれた。
そして、1994年からはカージナルスのGMに就任。トニー・ラルーサ監督を招聘し、マーク・マグワイア、スコット・ローレン、ラリー・ウォーカー、クリス・カーペンター、アダム・ウェインライトら後の中心選手のトレードを立て続けに成功させた。そして後に殿堂入り確実のキャリアを築くアルバート・プホルスとヤディアー・モリーナをドラフトで指名。このような選手の獲得・育成の成功によってカージナルスは強豪として君臨し、ジョケッティ氏の在任期間で6度の地区優勝、2度のリーグ優勝、そして2006年には世界一を成し遂げた。
しかし、2007年限りでフロント内の不和を理由にカージナルスを退団。そこからは同地区ライバルのレッズへと移り、そこでも2010年と2012年の2度の地区優勝を飾り、最優秀エグゼクティブ賞に輝いた。2006年の世界一メンバーで現在は解説者を務めるブラッド・トンプソン氏は「ウォルトが球団のために尽くしたすべてのこと、そして彼がカージナルスにもたらしたすべての要素を考えると、カージナルスの殿堂入りに値すると思う。ウォルトがいなければ、あんなことは起こり得なかった」とコメント。選手獲得や育成のみならず、人間関係を構築する手腕でも知られた名GMのジョケッティ氏の死に悲しみの声が集まっている。