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「あと一死で敗北」を覆す逆転満塁弾が2本 史上初の珍事に

2025.5.4 11:22 Sunday

 日本時間5月4日、各地で好ゲームが相次いだこの日、ガーディアンズ対ブルージェイズとアスレチックス対マーリンズの2戦を勝負付けたのは、ともに9回二死の「あと1アウトで敗北」の状況をひっくり返す満塁本塁打だった。

 先に行われたガーディアンズ対ブルージェイズの一戦では、ガーディアンズのダニエル・シュニーマンが大仕事を果たした。0対3とリードされて迎えた8回、シュニーマンは3号ソロを放って2点差に追い上げ。さらに依然1対3とリードされ、あと一死で敗北の二死満塁の状況で迎えた9回の打席では、なんと4号逆転グランドスラムを放った。

 シュニーマンの2本塁打で逆転したガーディアンズはそのまま5対3で逃げ切った。シュニーマンはメジャー2年目・28歳のユーティリティプレイヤー。これまで1試合マルチ本塁打も、満塁本塁打も打った経験がない。しかし、シュニーマンはきょうの大活躍で、あのベーブ・ルースと並ぶ記録を打ち立てた。「オプタ・スタッツ」によれば、チームが最後のアウトまで追い詰められている状況での勝ち越し満塁本塁打を含む、1試合2本塁打以上を記録したアウェイチーム側の選手は歴史上にシュニーマンとルースしかいない。

 2018年のドラフト33巡目全体1003位の低評価を覆した苦労人は、汎用性と当たれば飛ぶパワーでガーディアンズに貢献している。直近5試合で4試合に先発出場するなど、最近はチーム内での存在感も増してきた。きょう見せたベーブ・ルース級の活躍で勢いをつけ、レギュラー獲得に繋げたい。

 そして、その後に行われたアスレチックス対マーリンズの一戦でも、「あと1アウトで敗北」の状況から決勝グランドスラムが飛び出した。9回裏二死満塁、5対6と1点を追いかけるマーリンズは2番カイル・スタワーズが、アスレチックスが誇る難攻不落の剛腕メイソン・ミラーの約164キロの4シームを捉えた。スタワーズの打球は左中間へ伸び、そのままスタンドイン。マーリンズは劇的なサヨナラ満塁本塁打で試合をひっくり返し、9対6でアスレチックスに勝利した。

 スタワーズはこの日の3回にも同点2ラン本塁打を放っており、シュニーマンと同じくマルチ本塁打を記録。「MLB.com」のサラ・ラングス記者によれば、9回以降の勝ち越し満塁本塁打を含むマルチ本塁打を記録した選手が複数いた日は、少なくとも1961年以降では史上初のことだという。

 27歳のスタワーズは昨季オリオールズからトレードで途中加入した4年目の選手。オリオールズではマイナーで好成績を残し続けながら、なかなかチャンスに恵まれなかった。しかし、キャリアで初めてレギュラーに定着した今季は打率.324、OPS.944を記録。再建途上のマーリンズを牽引する活躍を見せている。


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