ロンゴリアが正式に引退 レイズと1日契約で引退セレモニー
2025.5.13 14:06 Tuesday
日本時間5月13日、レイズなどで活躍した名三塁手エバン・ロンゴリアが正式に引退を発表。古巣レイズと1日契約を結び、6月8日に引退セレモニーを行うという。米公式サイト「MLB.com」が報じている。
現在39歳のロンゴリアは、2006年のドラフト全体3位で当時のタンパベイ・デビルレイズに入団。2008年にデビューを飾ると、いきなり27本塁打の活躍を見せ、オールスターと新人王に選ばれた。さらにそのシーズン、レイズは球団創設史上初のリーグ優勝を成し遂げ、その大きな原動力となった。ロンゴリアはその後もスター街道を歩み、「低予算ながら強い」レイズの顔に成長。ゴールドグラブ3度、シルバースラッガー、オールスター選出3回など、様々なタイトルを獲得した。
ただ、2018年オフにジャイアンツへトレードされると、故障もあってキャリアは停滞。ジャイアンツでは5年間プレーして2021年の地区優勝に貢献したあと、2023年からはダイヤモンドバックスに加入した。ダイヤモンドバックスでは、打力こそ全盛期から衰えていたものの、変わらぬ堅実な守備力でレギュラーを担い、チームのリーグ優勝に貢献。しかし、その年のオフにダイヤモンドバックスからFAになって以来、ロンゴリアはどの球団にも所属せず、引退も発表していなかった。
「『これが最後のシーズンだ』って言いながらシーズンに臨むのは嫌だった。だから、もうプレーしないと決めたとき、『よし、これで終わった。もう何もする必要はない』って感じだった」とロンゴリア。しかし「『ああ、引退を発表しよう』なんて考えたこともなかった。でも、時が経つにつれて、それが正しい選択だと感じるようになったんだ」と、重い腰を上げて正式に引退を発表することを選んだ。
そして引退セレモニーを行うのは、もちろん慣れ親しんだレイズだった。「タンパはいつも故郷のように感じていた。これまでプレーした3つの場所のなかで、もちろん1番長くプレーしたのはタンパだったし、本当に引退すべき場所だと感じていた」とロンゴリアは語っている。ロンゴリアはレイズにとってただの元スター選手ではなく、球団史上最大のスターと言って良い。ロンゴリアは、WAR(51.7)、出場試合数(1435)、本塁打(261)、打点(892)、得点(780)、長打(618)、与四球(569)でチーム歴代トップの成績を保持。球団殿堂入りのみならず、かつて背負った背番号3は永久欠番になることが確実だ。
レイズの野球運営部長のエリック・ニアンダーは、ロンゴリアとの1日契約に寄せて「レイズの歴史において、エバン・ロンゴリアの比類なき地位は他に類を見ません。彼はレイズ野球の一時代を築いただけでなく、レイズを世界に知らしめるのに貢献しました。フィールド内外での彼の影響力は、レイズの成功の礎を築きました」とコメント。弱小球団から強豪へとレイズを生まれ変わらせたロンゴリアの貢献に称賛を惜しまなかった。