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パイレーツはスキーンズをトレードすべきか 「急ぐ必要はない」と球団幹部

2025.5.23 08:54 Friday

 パイレーツの若き剛腕ポール・スキーンズの周辺がにわかに騒がしくなっている。チームの低迷が続くなか、トレードの噂が浮上しているからだ。しかし、現実的に考えて、パイレーツが2029年シーズンまで保有できるスキーンズの放出を急ぐ必要はない。米公式サイト「MLB.com」のマーク・フェインサンド記者はスキーンズのトレードについて複数の球団幹部に話を聞いているが、彼らの意見も「今すぐに放出するとは思えない」というものだった。

 現在22歳のスキーンズは2023年ドラフト全体1位指名でパイレーツに入団。昨年5月にメジャーデビューを果たし、11勝3敗、防御率1.96、170奪三振の好成績でナ・リーグ新人王に選ばれた。今季はここまで10試合に先発して3勝5敗、防御率2.44、62奪三振を記録。昨季に続いて安定したピッチングを続けているが、打線の援護に恵まれず、黒星が先行している状況だ。

 パイレーツはスキーンズという球界屈指の若手エースを擁しているにもかからわず、フロントオフィスが戦力補強に対して消極的。あるナ・リーグの球団幹部は「いちばんの問題は、球団のプランがどういうものかということだ。スキーンズ、オニール・クルーズ、ミッチ・ケラー、ジャレッド・ジョーンズ、ババ・チャンドラーといった選手たちの全盛期に勝負をかけたいなら、彼らはより多くのリソース(お金)を費やすべきだろう」と課題の打線強化に動かないパイレーツの現状を疑問視する。

 スキーンズのトレードについては「史上最大規模の見返りになる可能性がある」との声が多い。あるア・リーグの球団幹部は「もしレッドソックスがスキーンズ獲得に動くとしたら、トリストン・カサス、ロマン・アンソニー、マルセロ・マイヤー、クリスチャン・キャンベル、タナー・ハウクといった選手が放出される可能性がある。もしこれくらいの対価が得られるなら、パイレーツはスキーンズ放出を検討すべきかもしれないね」と話すが、スキーンズが年俸調停権を取得するのは2026年シーズン終了後のため、「パイレーツがスキーンズ放出を検討するのは2026年のトレード・デッドライン以降になるだろう」との見方が一般的だ。

 スキーンズを軸にチーム作りをするのか、もしくはスキーンズ放出によって得られる選手たちを中心にチームを作っていくのか、あるア・リーグの球団幹部は「決断力が重要になる」と指摘する。かつてロイヤルズはザック・グレインキーの対価として獲得した選手たちを中心にチーム作りを進め、2015年のワールドシリーズ制覇につなげた。一方、タイガースはタリック・スクーバルを放出しないという選択をして、今季メジャー最高勝率をマークしている。いずれにしても、スキーンズの動向はパイレーツの未来を大きく左右することになるのだろう。


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