若手スターコンビの連続HRでオリオールズが6連勝 逆襲の始まりか
2025.6.6 12:08 Friday
【オリオールズ4-3マリナーズ】@T-モバイル・パーク
日本時間6月6日、オリオールズは敵地シアトルでのマリナーズ3連戦のスイープを決め、今季最長の6連勝を飾った。リーグ本塁打王カル・ローリーの24号を含む3打点で先行されたオリオールズだが、6回にアドリー・ラッチマンとガナー・ヘンダーソンの連続本塁打で逆転。先発のザック・エフリンが6回3失点7奪三振の好投で5勝目(2敗)を挙げ、ブルペンも無失点リレーで勝利を守った。マリナーズは頼れるブライアン・ウーが4失点を喫して今季3敗目(5勝)。オリオールズに3連敗を喫し、首位アストロズとのゲーム差が広がってしまった。
マリナーズは3回に暴投からオリオールズに先制を許したが、直後の3回裏にすぐ反撃。チームを牽引する4番ローリーが二死2塁からタイムリーを放ち、1対1の同点に追いついた。さらに5回、二死3塁からライトスタンドへ高々と上がる24号2ランで追加点。ローリーはこれで23本塁打の大谷翔平(ドジャース)、21本塁打のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に差をつけ、本塁打ランキングで両リーグトップを走ることとなった。
しかし、一度やり返されても終わらない、春先にはない強さが今のオリオールズにはある。直後の6回表、1番ジャクソン・ホリデイが四球で出塁すると、2番ラッチマンがライトへ7号2ラン。ほどなくして3番ヘンダーソンも8号ソロで続き、瞬く間に3得点を奪って逆転に成功する。
先発のエフリンはローリーに3打点を浴びた以外は素晴らしいパフォーマンス。6回を投げて7奪三振、四球はゼロ。その後のブルペンも素晴らしく、キーガン・エイキン、アンドリュー・キットリッジ、ブライアン・ベイカーは合計で3回5奪三振1安打の無失点リレーを見せた。オリオールズは4対3で接戦をモノにし、連勝を6に伸ばした。
2年連続プレーオフ進出の中心にいたラッチマン、ヘンダーソンの若手スターコンビは、今季ここまで本領発揮できていない。しかし、2人の復調とともに、チームも調子を回復してきている。6月に入るまで打率.203だったラッチマンは、直近3試合で13打数7安打2本塁打の大当たり。ヘンダーソンのOPSは5月初めの.674から.750へと回復した。「あと2週間でMVP投票の候補に名を連ねるでしょう」とトニー・マンソリーノ暫定監督も、ヘンダーソンの復調に太鼓判を押す。
プレーオフ進出候補の筆頭格に名前を挙げられながら、オリオールズは今季序盤まさかのスロースタートを演じた。5月25日は借金が18にまで膨らみ、最優秀監督賞に輝いた経験もあるブランドン・ハイド監督が更迭。しかし、マンソリーノ暫定監督の就任以降、オリオールズは復調し、直近11試合では9勝を挙げている。
ただ、6連勝中とはいえ、まだ借金は2ケタ台の11も残る。借金を抱えたまま7月末のトレード・デッドラインを迎えれば、売り手に回って戦力がさらに落ちることは必至。オリオールズが今季の勝負を諦めないためには、何としても6月中に復調し切る必要がある。「自分たちで大きな穴を掘ってしまったのは分かっているが、必ずそこから抜け出せる。シーズンは162試合ある。誰も自信を失ってはいないし、落ち込んで家に帰る者もいない。我々は全ての試合に勝つためにここにいる…」と今日の勝利投手のエフリンは語る。これまでMLBの歴史上で、シーズンのどの時点でも15以上の借金を抱えたチームが、その後プレーオフ進出を成し遂げた例はまだない。オリオールズの選手の目はまだ死んでおらず、前代未聞のカムバックに挑む。