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正面のセカンドゴロで2人が生還 21歳の積極走塁でレイズが劇的勝利

2025.6.6 15:57 Friday

【レンジャーズ3ー4xレイズ】@ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド

 日本時間6月6日、21歳ジュニア・カミネロが劇的なサヨナラ勝ちを演出し、絶好調のレイズが貯金を今季最多の4に伸ばした。カミネロは15号ソロを放って先制点をもたらしたが、試合は3対1とレンジャーズのリードで最終回へ。しかし、9回一死1・2塁のチャンスでカミネロがタイムリーを放って1点を返す。さらに、二死満塁となってから内野安打の間に、二塁走者のカミネロが果敢に本塁に突入して生還。レイズは最終回の電光石火の攻撃によって、4対3のサヨナラ勝利を挙げた。直近15試合で12勝を挙げる快進撃の中心には、その期間OPS1.191をマークしているカミネロがいる。

 試合はレイズ先発がライアン・ペピオ、レンジャーズ先発がジャック・ライターの若手好投手同士のマッチアップでスタート。2回、カミネロが直近15試合で7本目の本塁打となる15号ソロを放ち、まず先制点を挙げる。すると、レンジャーズも直後の3回表にジェイク・バーガーが8号ソロを放ち、1対1の同点に。

 そして、今日は開幕から不振に喘いでいたレンジャーズのマーカス・セミエンが活躍。6月に入るまで打率は2割ギリギリのいわゆる「メンドーサ・ライン」を彷徨っていたが、5回にペピオのウイニングピッチである高めの4シームを捉え、5号勝ち越しソロを放った。それにとどまらず、7回にもケビン・ケリーから6号ソロで追加点を叩き出し、復調の兆しを示した。

 中心選手の活躍を勝利に繋げたいレンジャーズだったが、結果的に抑えのロバート・ガルシアが機能しなかった。ガルシアは一死から単打、四球でピンチを招き、まずカミネロにタイムリーを献上。その後、二死からクリストファー・モレルが放った鋭い当たりを三塁手ジョシュ・ヤングが好捕したが、ヤングが二塁への送球を試みる間に内野安打となり、ピンチが拡大してしまう。

 そして二死満塁となって、打者テイラー・ウォールズが放った当たりはセカンド正面へ。レンジャーズはそれを一塁へ転送すれば試合終了となるはずだったが、シフトの関係で一塁手が打球の方向へ飛び出しており、一塁のベースカバーは不在。二塁手がどこへ送球すべきか逡巡するわずかな間を突き、二塁走者だったカミネロが本塁へ突入。4点目のサヨナラのホームに触れた。

 ヒーローとなったカミネロの即座の判断を支えたのは、ベンチコーチからのアドバイスだったという。9回の攻撃の前にベンチコーチのロドニー・リナレスがカミネロに「積極的になれ」と耳打ち。カミネロは打席ではボールゾーンだったが得意な高めのボールを振り抜き、タイムリー安打に。そしてモレルの内野安打を生み出したのも、一塁走者としてカミネロが大きなリードを取り、二塁フォースアウトの可能性を潰していたからこそ。最後のホームインの果敢さは言うまでもないだろう。

「何と言っていいか分からないけど、すべての栄光は神とカミネロにある」とモレルはカミネロのホームインについて語っている。俊足揃いのレイズの最年少選手とはいえ、カミネロの走力はスプリントスピードで見ると平均以下。普段は決して走力で違いを生み出す選手ではないが、「彼がボールを打った瞬間、僕は走り出した。(三塁コーチの)ブレイディ(・ウィリアムス)のことは見なかった。ただ走り出したんだ」と己の直感に運を任せた。そのカミネロの恐れ知らずの積極性こそが、今のレイズを好調に導いた起爆剤となっているに違いない。


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