千賀が好投で防御率1位を維持 メッツは負傷のリンドーアが決勝打
2025.6.7 15:17 Saturday
【メッツ4ー2ロッキーズ】@クアーズ・フィールド
日本時間6月7日、メッツの千賀滉大がロッキーズ戦に先発登板し、6回1失点の好投を見せた。試合は2対2の同点のまま9回に突入し、チャンスで2日前の試合で右足小指を骨折したフランシスコ・リンドーアが代打で登場。リンドーアは走者一掃の決勝タイムリー二塁打を放ち、メッツが4対2でロッキーズを下した。
メッツ先発の千賀滉大は初回からフォークを駆使し、ゴロアウトを量産。先頭から7打者連続でアウトに打ち取っていたが、8番ミッキー・モニアックへの初球のスイーパーが甘く入り、先制ソロを献上してしまう。さらに二塁打と四球でピンチを招いたが、ここはダブルプレーに後続を打ち取ってピンチを脱した。
ロッキーズはメジャーワーストの10敗をすでに喫しているアントニオ・センザテラのローテの巡りだったが、今日はオープナーを採用。オープナーの左腕ライアン・ロリソンから本来の先発センザテラへと繋ぐと、センザテラは無失点ピッチングを披露した。4回を投げて2奪三振に対して4四球だったが、ハードヒットを2本しか許さずに打たせて取った。
千賀は結局、109球を投じて6回1失点6奪三振2四球で降板。防御率はナ・リーグ1位の1.59にまで改善し、さらにナ・リーグに防御率1点台は千賀のみと安定感を見せている。今日は今季最多の22個の空振りを奪い、そのうち14個をフォークが占めるなど、伝家の宝刀の切れ味が冴え渡った。
しかし、メッツ打線は千賀を援護できず。6回には無死満塁の好機を作ったが、ロッキーズの3番手ジェイク・バードがそこから3者連続三振でピンチを切り抜け、ついに千賀に1点の援護もプレゼントできなかった。しかし7回、一死1・2塁から4番ピート・アロンソがタイムリー二塁打を放って逆転に成功。降板した千賀に唐突にも勝ち投手の権利が舞い込んだ。
ただ、3連勝中のロッキーズも勢いに乗っており、7回裏に代打サム・ヒリアードの三塁打から再びモニアックがタイムリーを放ち、すぐさま同点に。8回には無死満塁の絶好の勝ち越しのチャンスを作る。しかし、4番ライアン・マクマーンの放ったサードへのライナーを三塁手ブレット・ベイティが好捕し、すぐに三塁ベースをタッチしてダブルプレーが成立。後続はメッツの3番手ライン・スタネックが三振に切って取り、ロッキーズは勝ち越しに失敗した。
無死満塁のピンチを切り抜けて流れを得たメッツは、9回に二死1・3塁のチャンスを作る。ここで打席には2日前に右足小指を骨折したばかりのフランシスコ・リンドーアが代打で送られる。リンドーアは2球目の内角のカッターを捉え、ライト線方向へ勝ち越しの2点タイムリー。これが決勝点となり、メッツはロッキーズを4対2で下した。
リンドーアは5日のドジャース戦で死球を受け、右足小指を骨折。しかし、故障者リストには入らず、強行で出場する構えを見せていた。それでもまだランニングはできず、当然守備に就ける状態ではない。今の状態でできるのは打撃だけということで、リンドーアはバットを握りしめながら試合を眺めていた。
リンドーアが欠場した前日の試合は敗北、今日も序盤は劣勢と、リンドーアの存在感の大きさはメッツにとって計り知れない。アロンソは「毎日こうやって身体を張ってくれるチームメイトがいるというのは本当に特別なこと。真のプロだ」と絶賛。千賀も通訳を介して「まさにフランシスコ・リンドーアがどんな人物であるかを物語っている。彼はリーダーであり、スーパースターだ」とコメントを残し、チームリーダーへの賛辞を惜しまなかった。