English Español 韓国語

エンゼルスの35歳ヘンドリックスが通算100勝目 老兵の活躍で接戦制す

2025.6.7 17:03 Saturday

【マリナーズ4-5エンゼルス】@エンゼル・スタジアム

 日本時間6月7日、エンゼルスのカイル・ヘンドリックスがキャリア通算100勝のマイルストーンを達成した。序盤からシーソーゲームの様相を呈したマリナーズとエンゼルスの一戦、ヘンドリックスは6回4失点と粘りのピッチング。打線もトラビス・ダーノーの同点弾、クリス・テイラーのタイムリー二塁打、そしてノーラン・シャニュエルの勝ち越し打でリードを奪い、ヘンドリックスを援護した。ブルペンも無失点リレーでリードを守り、エンゼルスは5対4でマリナーズを振り切った。

 試合は序盤から一進一退の攻防となる。3回、マリナーズは二死2塁から1番J・P・クロフォードがタイムリーを放ち、1点を先制。直後の3回裏にはエンゼルスがザック・ネトのタイムリーで1点を返した。そして4回、マリナーズは無死満塁のチャンスを作り、6番ラウディ・テレズの当たりはライトフェンスを超えるかという大飛球に。しかし、これを右翼手ホルヘ・ソレアがフェンス際で好捕し、グランドスラムではなく犠牲フライとなる。マリナーズはその後、さらに内野ゴロで1点を加えた。

 ただ、エンゼルスも負けじと反撃。4回裏、6番トラビス・ダーノーが走者を1人置いて2号2ランを放ち、試合を3対3の同点に戻した。すると5回、マリナーズはフリオ・ロドリゲスのタイムリー三塁打で1点を勝ち越し。勝ち越されたエンゼルスは5回裏、クリス・テイラーのタイムリー二塁打とノーラン・シャニュエルのタイムリーで2点を奪い5対4と逆転した。

 味方のリードを得たエンゼルス先発のヘンドリックスは、6回をゼロで抑えて降板。6回4失点と堅実なゲームメイクを見せた。エンゼルスはその1点の虎の子のリードをライアン・ゼファージャン、リード・デトマーズ、ケンリー・ジャンセンの3人のリレーで守り抜き、同地区ライバル・マリナーズとの3連戦の初戦に勝利した。

 また、今日の勝利によって、ヘンドリックスはキャリア通算100勝の節目に到達。ヘンドリックスは、メジャーデビューしたカブスでは2ケタ勝利を4度マークし、黄金期のエース級投手として奮闘した。しかし、昨季限りでFAとなり、今季からは地元に近いエンゼルスに1年契約で加入した。

 エンゼルスは試合後にヘンドリックスの節目を祝福。さらにヘンドリックスの少年時代の最初の投手コーチだったというエンゼルスの名投手クライド・ライトも、その場に駆けつけた。「彼もクラブハウスに来てくれて、すごく嬉しかった。ハグしてくれた。12歳で初めてレッスンを受けてから23年もかかったんだって。そしてついに彼と肩を並べられるようになったんだって」とヘンドリックスは感慨深く語った。エンゼルスの球団記録であるシーズン22勝の実績を持つライトは、奇しくもキャリア通算100勝ぴったりでメジャーの舞台から退いている。ちなみにライトは1975年までメジャーリーグでプレーし、1976年からは3シーズン巨人(NPB)でプレーした。

 そして粘りの投球を見せた35歳のヘンドリックスの100勝目を援護したのは、同じく30代中盤のベテラン選手たち。専属捕手を務める36歳のダーノーは同点2ラン、34歳のテイラーは2安打で1打点2得点をマーク、37歳のジャンセンは自身にとっても通算460個目のセーブでヘンドリックスの勝ち星を守り、試合後にはそのウイニングボールを手渡した。

 ヘンドリックスは今季の防御率5.40と、全盛期のパフォーマンスからは衰えもみられる。しかし、ロン・ワシントン監督は「彼の存在感は常に周りに漂っている。そして、パフォーマンスを披露するときは、持てるすべてを出し尽くしているのが分かる」とヘンドリックスの貢献度を強調。なお、ワシントン監督も球界最高齢の73歳で監督を務めている。

 ザック・ネトやローガン・オハッピーといった成長著しい若手を中心に、次世代のチーム作りを進めるエンゼルス。その脇を固めるのは、数多くのいぶし銀のベテランたちだ。


spotvnow