サイ・ヤング賞争いの先頭はスクーバルとスキーンズ 山本はナ3番手に
2025.6.10 14:17 Tuesday
日本時間6月10日、米公式サイト「MLB.com」は今季2回目となるサイ・ヤング賞模擬投票の結果を発表した。今回の投票には同サイトの40人の有識者が参加し、現時点の成績だけでなく、残りのシーズンを予想したうえで1位から5位までを選出。それを1位5ポイント~5位1ポイントの形式で集計し、ランキングが作成されている。ア・リーグは前回に続いてタリック・スクーバル(タイガース)がトップに。ナ・リーグはポール・スキーンズ(パイレーツ)がトップに浮上し、前回トップの山本由伸(ドジャース)は3位に後退した。
ア・リーグは40人中37人がスクーバルに1位票を投じた。昨季の受賞者であるスクーバルは、今季ここまで13試合に先発して83回1/3を投げ、6勝2敗、防御率2.16、105奪三振、WHIP0.82の好成績をマーク。わずか7四球でK/BBは15.00という驚異的な水準に達しており、データサイト「ファングラフス」が算出する総合指標WARでも全投手中トップとなる3.4を記録している。
2位以下はマックス・フリード(ヤンキース)、ギャレット・クローシェ(レッドソックス)、ハンター・ブラウン(アストロズ)、クリス・ブービッチ(ロイヤルズ)という顔ぶれ。ジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)らにも票が入ったが、今季ここまで8勝1敗、防御率1.78と素晴らしい活躍を見せているフリードがやはりスクーバルの最大のライバルとなりそうだ。
ナ・リーグは40人中32人から1位票を集めたスキーンズがトップに浮上。打線の援護がなく4勝6敗と黒星が先行しているものの、14先発で91イニングを投げ、防御率1.88、92奪三振、WHIP0.84の好成績をマークしている。投球イニングはメジャー最多であり、防御率は千賀滉大(メッツ)に次いでリーグ2位、「ファングラフス」が算出するWARも2.9で投手リーグ1位となっている。
2位以下はザック・ウィーラー(フィリーズ)、山本、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)という顔ぶれ。依然として好成績を残している山本だが、投球の「質」と「量」を両立する各球団のエースたちと比較すると、やや見劣りする部分があるのも事実だ。中5~6日でローテを回している山本に対し、スキーンズ、ウィーラー、ウェブらは中4~5日でフル稼働しており、山本がサイ・ヤング賞を狙うためには「量」の不足をカバーするために「質」で圧倒することが必要になるだろう。
また、トップ5圏外ではあるものの、ロビー・レイ(ジャイアンツ)と千賀も1位票を獲得。特に千賀はリーグ1位の防御率1.59をマークしており、1試合あたりのイニング数が増えれば、サイ・ヤング賞争いに絡んでくる可能性もありそうだ。