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ジャッジがクローシェの完封阻む同点弾 しかし延長でRソックス勝利

2025.6.14 15:55 Saturday

【ヤンキース1-2×レッドソックス】延長10回@フェンウェイ・パーク

 日本時間6月14日、ヤンキースとレッドソックスによる同地区ライバル3連戦が、レッドソックスの本拠地ボストンのフェンウェイ・パークでスタート。初戦はレッドソックスのエースであるギャレット・クローシェがあわや完封の快投を見せるも、9回にヤンキースのアーロン・ジャッジがMLBトップタイの26号ソロを放ち、試合は1対1の同点に。延長戦にもつれ込んだ試合は、ブレイク中の捕手カルロス・ナルバエスのサヨナラヒットによって、レッドソックスが2対1で勝利した。

 この試合最大の見どころは、クローシェとジャッジの一騎討ちだった。驚異的な奪三振力を誇るレッドソックスのエースと、歴史的なシーズンを送っているヤンキースの主砲は、先週に今季初めて激突。ヤンキー・スタジアムで行われた前回対戦では、クローシェが3打数3三振とジャッジを圧倒し、勝ち投手となっていた。

 そして、今日もクローシェは快刀乱麻の投球を見せた。初回の第1打席は約158キロの外角高めの4シームを振らせ、ジャッジを空振り三振に。クローシェはヤンキース打線の1巡目をわずか1四球に抑え、4回にジャッジと2度目の対戦を迎えた。第2打席でも速球系で果敢に攻め、最後は約157キロの内角高めの4シームでジャッジを凍りつかせ、わずか3球で見逃し三振に。その後もクローシェはゼロを並べ続け、6回の第3打席でも約159キロの外角4シームを振らせ、ジャッジを今日3個目の三振に打ち取った。

 レッドソックスは2回にセダン・ラファエラが放ったタイムリーによる1点をクローシェがそのまま守り抜き、1点リードで9回に突入。キャリアで1度も完投経験がないクローシェを最終回のマウンドに送り込んだ。

 一死走者なしで迎えたのは、前の試合から合わせてクローシェに対して6打席連続三振のジャッジ。ジャッジの打席まででちょうど100球に達していたクローシェだったが、この土壇場でギアを再び上げる。2ストライク2ボールと追い込んでから投げた5球目は、この試合の105球目にして約161キロ(100.1マイル)を計時したが、ジャッジは辛くもファールで逃れた。続く6球目は内角に外れたが、この試合最速となる約161キロ(100.2マイル)。ただ、ジャッジも負けじとフルカウントまで粘り、ついに内角低めに入ってきた7球目の4シームを捉えた。

 クローシェの投球は決して甘い球ではなかったが、ジャッジはそれを左中間への打球速度約186キロ、飛距離約135メートルの特大弾へ変えてしまった。カル・ローリー(マリナーズ)と並んでMLBトップとなる26号は、クローシェの完封を阻止する値千金の一打。ヤンキースは土壇場で1対1に追いついた。

 主将の一打から流れに乗りたいヤンキースだったが、タイブレークでは判定に泣かされた。二塁走者アンソニー・ボルピーが試みた三盗はチャレンジで判定が覆り、アウトに。二死からDJ・ラメイヒューが一塁線に放った当たりは、塁審によってファウルと判定されてしまった。際どい判定に抗議し、アーロン・ブーン監督とラメイヒューは退場処分に。しかし、勝負の趨勢を決めかねない判定は覆ることなく、ヤンキースは10回表に勝ち越せなかった。

 そして、レッドソックスは10回裏、二死2・3塁から4番カルロス・ナルバエスが左中間へサヨナラヒット。宿命のライバルをサヨナラ勝ちで下し、3連勝で借金完済にリーチをかけた。レッドソックスのアレックス・コーラ監督は、今日の試合の雰囲気が近年のヤンキース戦とは異なっていたと指摘し、「今日は最初から良い感じだった。観客は早くから集まってくれたし、声も大きかった」とコメント。MLBを代表するライバル関係の新章開幕に期待を寄せた。

 これまで、数々のアイコニックなスターによって彩られてきたヤンキースとレッドソックスのライバル関係。これからは、すでに球界最高の呼び声高いジャッジ、そして球界最高の投手に名乗りを上げるクローシェの2人によって、またボルテージが上がるかもしれない。


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