ボイドの好投でカブスが接戦制す 唯一の走者も得意の牽制で仕留める
2025.6.15 08:50 Sunday
【パイレーツ1-2カブス】@リグレー・フィールド
日本時間6月15日、ダンズビー・スワンソンの決勝弾によって、カブスが接戦を制した。カブス先発のマシュー・ボイド、パイレーツ先発のマイク・バロウズによる好投で、中盤まで試合は1対1と拮抗。しかし、バロウズの後を受けた2番手ライアン・ボルッキからスワンソンが決勝弾を放ち、カブスが2対1で勝利した。好投のボイドに6勝目(3敗)が付き、ボルッキに3敗目(1勝)が付いた。鈴木誠也はパイレーツの若手投手の前に苦戦し、4打数無安打2三振だった。
初回、パイレーツは2番アンドリュー・マカッチェンが7号ソロを放って先制。カブス先発ボイドの甘く入ったチェンジアップを逃さなかった。その後は互いに走者がなかなか出ない静かな立ち上がりとなったが、カブスは3回にチャンスを作る。先頭にニコ・ホーナーが単打で出塁し、今季14個目の盗塁でチャンスを拡大。進塁打で一死3塁とすると、1番イアン・ハップの犠牲フライで同点とした。
スモールベースボールの雛形のような得点を挙げたカブスは、その後も2番カイル・タッカーの安打でチャンスを得点機を作る。しかし、続く3番鈴木誠也が放った打球速度約168キロの打球は惜しくも阻まれ、バロウズは1失点でピンチを切り抜けた。一方のボイドはマカッチェンへの被弾以降は一本の安打も許さず、パイレーツ打線を圧倒。サービスタイム10年の区切りに到達したばかりのトミー・ファムが6回に四球で出塁したが、パイレーツにとってはそれが唯一の走者だった。
しかし、その走者すらボイド得意の一塁牽制の餌食となった。ボイドはMLBトップの6つの牽制刺を記録。ここ3先発連続で牽制刺を記録しており、これはカブスの球団記録だ。過去の記録は80年代と70年代に作られたものであり、牽制回数制限がある現代で同じことを成し遂げる難易度は非常に高い。この素早いピックオフには「とんでもないスライドステップピック。本当に素晴らしい」と思わず敵軍のドン・ケリー監督も舌を巻いた。
そして6回裏、パイレーツ先発のバロウズは先頭の鈴木をファーストフライに打ち取ったところで降板。パイレーツはまだ2年目で25歳のバロウズに起用に慎重となっており、キャリアハイに近い81球に球数が達し、左打者のピート・クロウ=アームストロングを迎えるタイミングで決断を下した。2番手のライアン・ボルッキは目論見通り4番クロウ=アームストロングを抑えたものの、続く5番スワンソンに左中間への13号ソロを被弾。ボール球を中心に慎重に攻めていたが、フルカウントまでカウントを悪化させてからの甘いスライダーを仕留められてしまった。
虎の子のリードを得たカブスは、ボイドを降板させて勝利の方程式を投入。開幕時は守護神だったライアン・プレスリーが7回、途中加入から活躍しているドリュー・ポメランツが8回、豪速球で守護神に定着したダニエル・パレンシアが9回をそれぞれゼロに抑え、パイレーツを2対1で振り切った。
また、カブスの鈴木誠也は「3番・右翼」でスタメン出場。第1打席はスライダーで空振り三振、第2打席はライトライナー、第3打席はファーストフライ、第4打席は見逃し三振だった。第3打席までパイレーツ先発のバロウズと対戦し、第4打席では有望株右腕のブラクストン・アシュクラフトと相見え、6戦ぶりに無安打で終わった。