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レッドソックスが主砲・デバースを放出 非情決断の理由は

2025.6.16 09:02 Monday

 日本時間6月16日、レッドソックスのラファエル・デバースがジャイアンツへトレード移籍となったことを「ファンサイデッド」のロバート・マレー記者らが伝えた。デバースの対価として、ジャイアンツからジョーダン・ヒックス、カイル・ハリソン、ジェームス・ティブス3世、ホセ・ベヨの4名がレッドソックスへ移籍する。レッドソックス一筋のスター選手の急転直下の放出は衝撃を呼んでいる。

 現在28歳のデバースは、3度のオールスター・ゲーム選出、2度のシルバースラッガー賞を誇るメジャー屈指の強打者。プロ入りからレッドソックス一筋でキャリアを送り、2023年から始まる10年3億1350万ドルの大型契約にサインしていた。今季もここまで73試合で15本塁打、出塁率.401、OPS.905と流石の成績を残している。

 しかし、レッドソックスの球団の顔だったデバースだが、今オフに球団との関係は変わってしまった。レッドソックスはデバースの本職である三塁にスター選手のアレックス・ブレグマンを補強。デバースは三塁からDHへのコンバートに当初は難色を示した。さらに、一塁手トリストン・カサスの負傷を受け、球団はデバースに一塁への再コンバートを持ちかけたが、デバースはこれを拒否。「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者はこの一連の過程が「GMのクレイグ・ブレスローを怒らせた」と綴っている。一方、「マスライブ」のレッドソックス番記者クリス・コティーロによれば、デバース側の「フロントの対応に対する彼の怒りは本物だった」と、球団・デバース双方の関係が悪化していたのは事実だったようだ。

 レッドソックスはなぜチームで最も頼れる打者を放出できたのだろうか。レッドソックスはデバースが抜けても、そのポジションを埋めることができる状況だ。故障者リストにはブレグマン、ウィルヤー・アブレイユ、吉田正尚が控える。故障者の代わりにレギュラーを務めるのは、外野手ロマン・アンソニーや内野手マルセロ・マイヤーといった球界でも高評価の有望株たち。故障者が復帰すれば、DHも使いながらそれらの選手たちをローテーションしていくことになるかもしれない。

 この野手陣の人材過多を解消するため、正左翼手ジャレン・デュランのトレードも噂されていた。しかし、放出候補として選ばれたのは、非情にも球団の顔であるデバース。デバースが放出された理由の1つは、彼の契約もある。デバースの残り契約は8年半で2億5400万ドルと高額。レッドソックスは一切の金銭負担なしでデバースを放出し、ペイロールに余裕を作ることができた。


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