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「このトレードは本当か?」 デバースの電撃移籍が球界に与えた衝撃

2025.6.17 09:51 Tuesday

 ラファエル・デバースがレッドソックスからジャイアンツへトレードされたというニュースは球界に大きな衝撃を与えた。そもそも6月中にデバースのようなスター選手を含む大型トレードが成立することはめったにないからだ。しかもデバースはレッドソックスと2033年までの長期契約を結び、今後長きにわたってチームの柱になると思われていた選手だ。この衝撃のトレードについて、米公式サイト「MLB.com」のマーク・フェインサンド記者は球団関係者への取材を行っている。

 レッドソックスは主砲デバースをジャイアンツに放出し、ジョーダン・ヒックス、カイル・ハリソン、ジェームス・ティブス3世、ホセ・ベヨの4選手を獲得。「デバースがジャイアンツ移籍」という驚きのニュースが報じられたとき、あるア・リーグの球団幹部は「このトレードは本当か?」と疑わずにはいられなかったという。

 別のア・リーグの球団幹部は「レッドソックスはデバース放出でリセットを行い、別のところにお金を使いたかったのだろう」とレッドソックスの方針に一定の理解を示す。しかし、7月末のトレード・デッドライン付近ならともかく、6月中にこれほどの規模のトレードが起こることは珍しく、やはりその衝撃は相当なものだったようだ。

 また別のア・リーグの球団幹部は「高額年俸のデバースを受け入れることができるチームはそんなに多くない。それを考えれば、レッドソックスはかなりいい対価を得られたと思う」と語る。デバースの放出により2億5000万ドルもの資金を浮かせることに成功し、居場所を失いつつあった吉田正尚を起用する余地も生まれた。さらに即戦力の2選手と有望株2選手を獲得。レッドソックスにとって決して悪い取引ではなかったと受け止められている。

 もちろん、長期契約を結んだスター選手を早々に放出したレッドソックスの判断を疑問視する声もある。あるナ・リーグの球団幹部は「10年契約の2年目にトレードするなんてクレイジーだ。本人はプレーしたいポジション、そうでないポジションを明確にしていたのに(球団がそれを無視した)」とデバースに同情。「しかも、その選手の残りの契約をほかの球団がすべて引き受けるなんて、もっとクレイジーだよ。ジャイアンツにとっては彼のような強打者が必要だ。でも、これは本当に衝撃的なトレードだった」と付け加えた。

 別のナ・リーグの球団幹部は「数年後にはデバースとウィリー・アダメスの契約が経営を圧迫することになるだろう」とジャイアンツの将来を不安視する。また、今回のトレードの評価については「レッドソックスが浮いた資金をどのように使うかがポイント」と指摘する声も多い。

 短期的に見れば、デバースという強打者を獲得したジャイアンツが有利に見えるトレードだが、高額年俸の指名打者の契約をすべてジャイアンツに引き取ってもらえたという点において「レッドソックスが上手くやった」と評価する声も少なくない。「ポスト・デバース時代」に突入したレッドソックスは今後どのように動いていくのか。クレイグ・ブレスロー編成本部長は「今季に関して白旗をあげたわけではない」と今季のポストシーズン進出を狙う方針を改めて強調した。


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