デバース移籍が吉田に与える影響は DHはローテーション起用の見込み
2025.6.17 14:15 Tuesday
レッドソックスは守備位置の変更をめぐって関係が悪化していたラファエル・デバースをトレードでジャイアンツに放出することを決断した。三塁からDHにコンバートされて今季の開幕を迎えたデバースだが、トリストン・カサスの離脱時に一塁転向を打診されて拒否。これが球団とデバースのあいだに決定的な亀裂を生んだとみられている。デバースの放出によりDHの枠が空いたレッドソックスだが、これは吉田正尚の起用法にどんな影響を与えることになるのだろうか。
レッドソックスのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)を務めるクレイグ・ブレスローは、デバース放出に関する会見のなかで「私の仕事はできる限り最高のチームを作ること。そのためには、より機能的なロースターを形成する必要があり、ある特定の選手にはより多くの出場機会を与えたいと考えている。そのためにもDHのスポットは、相手投手との相性も考慮しながらローテーションで回していくことになるだろう」とコメント。これまではデバースをフルタイムのDHとして起用していたが、今後は1人の選手をDHに固定するつもりはないようだ。
つまり、吉田はデバース在籍時と同様に、外野の守備に就くことができる状態にならない限り、戦列に戻ることはないということになる。レッドソックスには「有望株ビッグ3」と呼ばれるロマン・アンソニー、クリスチャン・キャンベル、マルセロ・マイヤーを筆頭に、レギュラークラスの野手が多く揃っており、デバース放出後も野手の層は非常に厚い。ブレスローCBOとしては、こうした選手たちにより多くの出場機会を与えるために、DHのスポットを活用していきたいのだろう。
よって、デバース放出でDHが空いたとはいえ、吉田が置かれている状況に大きな影響はない。まずは右肩のリハビリが最優先で、守備に就くことができるようになった段階でマイナーでのリハビリ出場を開始することになるだろう。米公式サイト「MLB.com」でレッドソックスを担当しているイアン・ブラウン記者は、吉田の復帰時期について「オールスター・ブレイク以降」と予想している。後半戦の戦列復帰に向けて、吉田は一歩ずつ着実にリハビリを進めていくことになりそうだ。