English Español 韓国語

ナショナルズ・ウッドが自身初のサヨナラアーチを含む1試合2本塁打

2025.6.20 12:12 Friday

【ロッキーズ3-4xナショナルズ】@ワシントンD.C./ナショナルズ・パーク

 首都ワシントンD.C.の暑さと湿気は、今季MLBワーストタイとなる11連敗中のナショナルズに余計なプレッシャーを与えていた。しかし、今季売り出し中の若きスター外野手、ジェームス・ウッドがひと振りで嫌な空気を一掃してみせた。

 ウッドは1点ビハインドで迎えた十一回裏に自身初のサヨナラ本塁打となる20号逆転2ランを放ち、チームを4-3の勝利に導いた。泥沼の11連敗中だったナショナルズだが、ウッドの劇的な一打により、ようやく大型連敗に終止符を打っている。

 ウッドは「ボールが(フェンスの向こう側で)バウンドしたのを見たあとは、ほとんど何も覚えていないんだ」と自身初のサヨナラ弾を振り返った。

 ナショナルズのデーブ・マルティネス監督は「おそらく、これから何本も打つうちの一本になるだろう。どの選手であれ、最初の一本を見られるのは嬉しいけれど、もっともっとこういうプレーを見たいね。彼は強心臓なんだ。ああいう状況で本当に頼りになる選手の一人だし、今日はそれを証明してくれたね」と22歳の若きスター外野手の活躍を称賛。今後のさらなる活躍にも期待を寄せた。

 今日の試合で打点を記録した選手はウッドだけ。2本の2ラン本塁打を放ち、一人でチームを勝利に導いた形だ。今日の勝利により、ナショナルズは2009年8月18~20日以来となるロッキーズ3連戦のスイープ負けを回避。また、ワシントンD.C.移転後の最長連敗(2008年8月8~20日の12連敗)に並ぶことも回避できた。

 ウッドは「ホッと一息つくことができたくらいのこと」と語りつつも「僕たちは一生懸命プレーしていたのに、なかなか上手くいかなかった。だから、少しだけでも状況が好転したのは良かったと思う。勝てたのは嬉しい」と久々の勝利を喜んだ。

 もちろん、今日の勝利はチーム全体の努力によるものでもあった。ナショナルズの投手陣は十回までロッキーズ打線を2得点に抑え、ロッキーズ打線に10個の残塁を記録させた。マルティネス監督は六回表のピンチで先発のトレバー・ウィリアムスをリリーフしたコール・ヘンリーの働きを称賛。ヘンリーは捕手キーバート・ルイーズの好リードにも助けられながら二者連続三振で見事にピンチを切り抜けた。

 しかし、ウッドの2本塁打がなければ、投手陣の頑張りも無意味なものとなっていたはずだ。

 マルティネス監督は「我々は試合中ずっと言い続けてきた。『誰かがこの試合に勝つ。とにかく、最高の瞬間を掴まなきゃ』とね。そして、まさに最高の瞬間が訪れた。あの若手(ウッド)が打席に入り、チームを救ってくれたんだ。最高だったよ。選手たちは決して諦めないんだ」と大興奮。今季開幕から素晴らしい活躍を見せているウッドがまさにチームの救世主となった一戦だった。

 ウッドが四回裏に放った先制の19号2ランは打球速度110マイル、飛距離403フィート(約122.8メートル)を計測。ウッドにとって打球速度110マイル以上の本塁打は今季10本目となり、球団記録(2021年カイル・シュワーバーの11本)まであと1本に迫った。そして、十一回裏のサヨナラ弾も打球速度110.2マイルを計測し、ウッドはシュワーバーが持つ球団記録に並ぶことになった。

 また、110マイル以上の本塁打11本は、今季のMLBにおいて大谷翔平(ドジャース)と並んで最多の数字となっている。

 さらに、22歳275日で「サヨナラ本塁打を含む1試合2本塁打」を放ったのはナショナルズの球団最年少記録である(前身のエクスポズも含む)。

 常に打つ気満々のウッドは、十一回裏2死三塁の場面でロッキーズが勝負してきたことに驚きはなかった。しかし、マルティネス監督は驚いただけでなく、安心もしていたという。

「いろんな球種を混ぜて攻めてくると思っていた。でも彼は落ち着いていたね。甘く入ったスプリッターを仕留めた。いつもの彼らしく、強心臓ぶりを見せてくれた。打つべきボールをしっかりセンター方向に打ち返したんだ」とマルティネス監督はウッドを称えた。

 先発のウィリアムスも「彼がメジャーリーグの舞台で大活躍する姿を見るのが楽しみだよ。フルシーズン1年目でこれだけの成績を残すなんて信じられない。本当に素晴らしい。今季が終わるまでに彼がMLBの顔の一人になっていたとしても、僕は驚かないよ」と今季のウッドの活躍ぶりを称賛。ウッドは今季75試合に出場し、打率.284、20本塁打、56打点、9盗塁、OPS.944と素晴らしい活躍を続けている。


spotvnow