マリナーズ大勝 ローリーは3試合連発の31号アーチでトップ独走
2025.6.23 06:53 Monday
【カブス6-14マリナーズ】@シカゴ/リグレー・フィールド
カル・ローリー(マリナーズ)の勢いが止まらない。マリナーズの正捕手は14-6で大勝した日本時間6月23日のカブス戦で、またも大きな一発を放った。初回の第1打席、カブス先発のコリン・レイが投じた初球のやや甘く入ってきた直球をとらえ、センターへの31号先制2ラン。これで3試合連続の一発となった。
今季31本目の本塁打は、数々の本塁打記録を樹立してから24時間も経たないうちに、3時間超のロングゲームに敗れた翌日に飛び出した。「3番・DH」でスタメン出場したローリーは、カブス先発の右腕レイから左打席で一発を放った。
ローリーは前日の試合で捕手として史上初めて、前半戦のうちに30本塁打に到達。スイッチヒッターが前半戦だけで30本塁打を放ったのも史上初めてのことだった。しかし、ローリーは「捕手」や「スイッチヒッター」といった限られたテリトリーだけでなく、MLBの歴史上においても大記録に近づきつつある。
前半戦の最多本塁打記録は、2001年にバリー・ボンズ(ジャイアンツ)がマークした39本塁打。現在31本塁打のローリーはまだ20試合を残している。ボンズはこの年、史上最多となるシーズン73本塁打を記録したが、ローリーも現在66本塁打ペースで量産中だ。
ボンズが73本塁打を記録する3年前(1998年)には、マーク・マグワイア(カージナルス)が史上初のシーズン70本塁打を達成した。この年はマグワイアとサミー・ソーサ(カブス)が激しい本塁打王争いを繰り広げ、ソーサも66本塁打を記録。二人そろって1961年にロジャー・マリス(ヤンキース)がマークした61本塁打のメジャー記録を更新したのだった。その年、日本時間6月23日の時点ではマグワイアが33本塁打、ソーサも30本塁打を記録していた。ローリーはこの二人に近いペースでアーチを量産していることになる。
マリナーズの前半戦最多本塁打記録も1998年に達成されている。この年、ケン・グリフィーJr.がオールスター・ブレイクまでに35本塁打を放った。
ローリーは今回のカブス3連戦で4本塁打を量産。右打席と左打席でそれぞれ2本ずつ放った。直近5試合で5本塁打を記録し、MLB全体2位のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と4本差。本塁打王争いにおいて独走態勢に突入しつつある。ジャッジは昨季のアメリカン・リーグMVPだが、今季はジャッジとローリーのMVP争いも注目されるだろう。
なお、ローリーは現在、左打席だけで21本塁打を放っているが、この本数を上回るのはジャッジ(27本塁打)のほかに、ドジャースの大谷翔平(25本塁打)、ダイヤモンドバックスのエウヘニオ・スアレス(25本塁打)、フィリーズのカイル・シュワーバー(23本塁打)しかいない。ローリーはこのほかに右打席でも10本塁打を放っている。驚異的なアーチ量産はどこまで続いていくだろうか。