タイガースが今季50勝一番乗り スクーバル6回4失点も通算50勝目
2025.6.25 12:45 Wednesday
【タイガース11-4アスレチックス】@デトロイト/コメリカ・パーク
二回にアスレチックスのデンゼル・クラークの打球がパーカー・メドーズのグラブを越えてセンターのフェンスの向こう側に飛び込んだとき、タイガース先発のタリック・スクーバルの表情はいらだちに満ちていた。スクーバルは初回に続いて2イニング連続で本塁打を浴び、アスレチックスにリードを許してしまったのだ。
しかし、それ以降スクーバルは立ち直った。六回2死からルイス・ウリアスを91マイルのスライダーで空振り三振に仕留め、この試合8つ目の三振を記録。スクーバルは脚を蹴り上げ、アドレナリンと疲労が入り混じった雄叫びを上げた。スクーバルにとって、決して最高のピッチングではなかったが、タイガースは11-4で勝利。今季MLB全体で一番乗りで50勝に到達した。
スクーバルの前回登板は雨のなかでのピッチングだった。今日の試合も悪天候により、開始が81分も遅延することに。先発投手にとって難しい状況だったことは間違いなく、アスレチックスは初回先頭のジェイコブ・ウィルソンが四球を選ぶと、次打者ブレント・ルーカーが96マイルの直球を叩き、レフトへの16号先制2ランを放った。スクーバルが初回の先頭打者に四球を与えたのは今季初めてのことだった。
スクーバルが本塁打を打たれたのは5月20日以来。これで37イニング連続被本塁打なしの記録がストップした。アスレチックスの主砲ルーカーにとっては、スクーバルから放った通算3本目の一発である。その後、スクーバルは打者5人を抑えたものの、二回2死からタイラー・ソダーストロムにヒットを許し、そしてクラークにメジャー通算2本目となる一発を浴びた。
アスレチックスは昨季開幕直後にコメリカ・パークでスクーバルと対戦したときも2本のアーチを放ち、球界を代表する左腕から4点を奪っている。また、昨年9月にオークランドで対戦したときも六回途中までに9安打を浴びせて2点を奪い、スクーバルに白星を与えなかった。今日の試合序盤は、スクーバルのアスレチックスに対する相性の悪さが出た形となった。
しかし、スクーバルは三回以降、アスレチックスに追加点を与えなかった。打線は初回にケリー・カーペンターが14号2ランを放って一時同点に。カーペンターにとっては、1試合3本塁打を記録した6月2日のホワイトソックス戦以来の一発であり、アスレチックス先発のルイス・セベリーノの「タイガースに対して17イニング連続無失点」という記録を終わらせた。三回にはウェンシール・ペレスの2点タイムリー二塁打で再び同点とし、ディロン・ディングラーの8号3ランで勝ち越し。セベリーノがタイガース戦で敗戦投手となったのは2016年以来のことだった。
スクーバルは最初の打者一巡で4点を失ったあと、完全に立ち直り、二巡目は打者9人をパーフェクト。逆転してもらった直後の四回は、わずか8球で三者凡退に抑え、試合の流れを引き寄せた。五回と六回も無失点に抑え、2023年9月21日以来となるアスレチックス戦での白星を手にしている。
三回に同点打を放ったペレスは2安打2打点の活躍だけでなく、七回にはライトからの好返球でチームに貢献。二塁打を狙ったソダーストロムを二塁で刺した。また、ライリー・グリーンは今季2度目、キャリア4度目となる1試合4安打をマークし、打率を.299まで上昇させている。