ロイヤルズ・ウィットJr.が2大会連続のWBCアメリカ代表入りを表明
2025.6.27 06:50 Friday
2023年3月、当時22歳のボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)は堅実なルーキーイヤーを終え、未来のスター候補として注目されていた。球界最高の選手たちが名を連ねる、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ代表チームの最年少メンバーに選ばれたことで、その注目度は高まった。
現在、ウィットJr.は球界を代表するスター選手の一人である。そして、アメリカ代表を牽引する存在として、再びWBCの舞台に戻ってくる予定だ。
日本時間6月27日、ウィットJr.はアメリカ代表の一員として2026年のWBCに出場することを発表した。おそらく正遊撃手を務めることになるだろう。昨季アメリカン・リーグのMVP投票で2位となった若きスター遊撃手は、その才能を国際舞台で発揮するチャンスを再び得ることになる。
現在25歳のウィットJr.は、主将を務めるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、剛腕ポール・スキーンズ(パイレーツ)に続き、WBCアメリカ代表入りを表明した3人目の選手となる。この3人は、前回大会で日本に次ぐ準優勝に終わったリベンジを目指すアメリカ代表を牽引する存在となるだろう。前回大会は大谷翔平がマイク・トラウトを三振に仕留めるという、球史に残るような最高の形で幕を閉じた。
ウィットJr.は再びWBCに出場することについて「光栄です。前回大会では(優勝に)惜しくも及びませんでした。だから、チームと国が金メダルを獲得するのを手助けしたいと思っていたんです」と語っている。
ウィットJr.は2023年に行われた前回大会では控え選手という位置づけであり、2打数1安打を記録。日本との決勝戦では九回に代走として出場したが、ムーキー・ベッツの併殺打で二塁フォースアウトとなり、2死走者なしで大谷とトラウトが対戦するクライマックスを迎えることになった。
ロイヤルズの看板選手であるウィットJr.は「あの雰囲気のなかに、あれだけの選手たちと一緒にいるだけで、このゲームについて本当にたくさんのことを学ぶことができます。なぜ彼らがこれほど素晴らしい選手なのか、といったことを学べるんです」とWBC出場の意義を力説。「たとえ3週間であっても、最高の選手たちと一緒にいられることで、たくさんのことを学ぶことができます。それがシーズンに向けた準備になるんです」とWBC出場のメリットを語った。
ウィットJr.は前回大会に出場したあと、急激な成長を遂げている。昨季は打率.332、32本塁打、109打点という素晴らしい活躍で首位打者のタイトルを獲得し、fWARは10.4に達した。所属するロイヤルズとはすでに長期大型契約を結んでおり、昨季はチームのポストシーズン進出にも大きく貢献した。
今季のロイヤルズは昨季ほど順調ではないものの、ウィットJr.は今季もリーグ上位の好成績を残しており、打率.282、10本塁打、出塁率.338、長打率.484を記録。fWARはメジャー全体で6位となる3.8をマークし、これは遊撃手ではアストロズのジェレミー・ペーニャ(4.0)に次ぐ数字である。
ウィットJr.は2023年のWBC以前にもアメリカ代表としてのプレー経験があり、2018年にはU-18アメリカ代表の一員としてパンアメリカン選手権に出場。打率.576、3三塁打、3本塁打という大活躍を見せただけでなく、パナマと対戦した決勝戦ではサイクル安打を達成し、大会MVPに輝いた。
また、元メジャーリーガーである父ボビー・ウィットSr.も1984年のロサンゼルス五輪にアメリカ代表の一員として出場し、銀メダルを獲得している。
さて、ウィットJr.は赤、白、青のユニフォームに再び袖を通し、金メダルを目指すことになる。
「この偉大な国を代表できるだけでも光栄です。それは本当に名誉なことです。胸にUSAの文字を掲げられることには本当に大きな意味があるんです」と謙虚な気持ちを忘れず、自身初となるWBCでの優勝を目指す。