カブス・今永昇太が復帰戦を勝利で飾る 五回1安打無失点の好投
2025.6.27 07:38 Friday
【カージナルス0-3カブス】@セントルイス/ブッシュ・スタジアム、6月26日(日本時間27日)
7週間前、今永昇太(カブス)は一塁のベースカバーでダッシュした際に左ハムストリングを痛め、戦線離脱を強いられることになった。カブスは戦力としても、人間的にも、大きな存在を失ったのだ。当然のことながら、今永は待望の復帰登板でも一塁のベースカバーという仕事を担うことになった。
今永の2球目だった。カージナルスの先頭打者ブレンダン・ドノバンが一塁へのゴロを放ち、今永は余裕をもって一塁のベースカバーへ。マイケル・ブッシュからの送球を受け、復帰後最初のアウトを取った。それ以降、今永はスムーズなピッチングを続け、カブスは同地区ライバルのカージナルスを相手に3-0で完封勝利を収めた。
カブスのトミー・ホットビー投手コーチは、今永について「彼は一緒にいて本当に楽しい人なんです。彼のような選手がいないときは、チームの一部が失われてしまったように感じます」とチームにおける今永の存在感の大きさについて話していた。
今永の欠場期間中、カブスの先発ローテーションは健闘を見せたものの、やはりメジャーデビュー以降の今永のパフォーマンスの安定感は光っている。昨季はナショナル・リーグのサイ・ヤング賞と新人王の候補となり、今季は東京シリーズで自身初の開幕投手を務め、チームに勢いをもたらした。
今永は5月4日のブリュワーズ戦で左ハムストリングを痛めたあと、メジャーリーグの打者と対戦していなかったが、そうとは思えないほどのピッチングを披露。カージナルスを相手に5イニングを無失点に抑え、今季の防御率を2.54まで向上させた。
カージナルス打線に許した唯一のヒットは、一回1死からメイソン・ウィンに打たれたもの。ダンズビー・スワンソンが鋭いゴロをバックハンドで処理しきれず、レフト前ヒットとなった。しかし、今永はそれ以降、四球1つを除いてカージナルス打線をパーフェクトに封じ、3つの三振を奪うなど、77球で5イニングを投げ抜いた。
カブス打線は二回にブッシュが13号ソロを放ち、今永に先制点をプレゼント。2死走者なしの場面でカージナルス先発のアンドレ・パランテから放ったこの一発は、Statcastで初速109.6マイルを計測した。四回には2死満塁のチャンスでイアン・ハップが押し出し四球を選び、追加点をゲット。八回にはピート・クロウ=アームストロングとスワンソンの連打でチャンスを作り、スワンソンが一、二塁間に挟まれて盗塁死となる間に、クロウ=アームストロングが3点目のホームを踏んだ。
カージナルスは七回にカブス3番手のブラッド・ケラーから2つの四球を選び、1死一、二塁のチャンスを迎えたが、カブスはノーラン・ゴーマンが放った右中間への打球をピート・クロウ=アームストロングが好捕するなどピンチを脱出。九回にはカブス5番手のダニエル・パレンシアから無死一、二塁のチャンスを作ったカージナルスだが、パレンシアは後続3人をいずれも三振に仕留め、試合を締めくくった。
なお、カブスの鈴木誠也は「3番・右翼」でスタメン出場したが、3打数ノーヒット1四球。2試合連続のノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.256、出塁率.313、OPS.847となっている。