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レイズの快進撃が続く ア・リーグ東地区首位のヤンキースと0.5差に

2025.6.27 09:59 Friday

【ロイヤルズ0-4レイズ】@カンザスシティ/カウフマン・スタジアム、6月26日(日本時間27日)

 レイズの先発投手ドリュー・ラスムッセンは、ロイヤルズを相手に4-0で勝利を収めたあと、「今、(チーム状況について)文句を言うのは難しい」と語った。この言葉が現在のレイズの状況を象徴していると言えるだろう。

 レイズはレギュラーシーズンのちょうど半分、81試合を消化。2年ぶりのポストシーズン進出に向けて快進撃を続けており、今季5度目となる同一カードのスイープを達成し、アメリカン・リーグ東地区の首位ヤンキースまで0.5ゲーム差に迫った。

 レイズの現状、そして上手くいっている点は以下の通りだ。

順位表で急上昇

 レイズの前半81試合については、直近の34試合に集約される。5月19日の時点では21勝26敗で5つの借金を抱えていたが、それ以降の34試合では25勝9敗を記録し、シーズンの展望を一変させた。

 しかも、この快進撃を強豪相手に成し遂げている。レイズはタイガース、アストロズ、ブルージェイズ、レンジャーズ、ツインズ、ロイヤルズを相手にカード勝ち越しを記録し、メッツをスイープ。すべてポストシーズン進出を狙うチームだ。低迷するチームを相手に白星を稼いでいるわけではないという点は注目に値する。

 ケビン・キャッシュ監督は「この1カ月ほどで、チームの勢いは高まってきたと思う。本当に良い成果をたくさん上げてきたし、選手たちがこれを継続していきたいと思っていることを私は知っている」とチームの現状に手応えを感じている。

 現在、レイズはトレード・デッドラインで「買い手」に回る可能性が高い。ただし、具体的にどのポジションを補強するかは、故障からのリハビリを行っているキム・ハソンやシェーン・マクラナハンの状態、そして2度目のメジャー昇格を果たしたチャンドラー・シンプソンの成長にかかっているだろう。

 現在46勝35敗ので地区2位につけているレイズ。5月28日の時点では7ゲーム差をつけられていたが、首位ヤンキースとのゲーム差は0.5まで縮まった。また、メジャー最高勝率を誇るタイガースにも4.5ゲーム差に迫っている。

 先発投手のライアン・ペピオは「このチームの粘り強さを誇りに思う。僕たちは昨季の終わり方に満足できなかったからこそ、今年は高い期待と目標を持ってシーズンに臨んだ。望んでいたようなスタートではなかったけれど、状況を好転させることができた。今は貯金11。この状況には満足しているよ」と語った。

 では、レイズはどのようにして状況を好転させたのだろうか。

打撃陣の活躍

 ジョナサン・アランダ(打率.329、OPS.898)の台頭と、ヤンディ・ディアス(直近14試合で打率.476)の安定した活躍もあり、上位打線が強化された。その結果、様々な方法で得点することができる打線が形成されている。

 今回のロイヤルズ3連戦を最新の例として挙げると、第2戦の二回に3点を奪ったが、外野に届いた打球は1本だけ。ホセ・カバイェロとダニー・ジャンセンのバントを絡めて得点を奪い、3-0で勝利した。最終戦では六回にブランドン・ラウとジュニア・カミネロが連続ホームランを放ち、ロイヤルズを突き放した。

 ラウが「今は相手にダメージを与える方法がたくさんあり、とても楽しくプレーできている。一緒にいて楽しいグループだし、一緒にプレーしていて楽しいチームだ」とチームの雰囲気の良さについて語る。

 最終戦開始前の時点で、レイズが5月20日以降に記録した1試合平均得点(5.97)、打率(.281)、出塁率(.351)、長打率(.462)、OPS(.813)、打点(184)、盗塁(43)はいずれもメジャートップ。長打(110)もメジャー最多タイの数字である。

 好守のテイラー・ウォールズは「シーズン序盤はなかなか勝てなかったけれど、シーズンを通して良い野球をすることができていると思う。(勝てなかった時期も)得点を奪うチャンスはあった。今は以前よりもそうした機会を生かすことができている。塁上にランナーがいる状況でヒットが出るようになったんだ」とチームが好調な理由を分析した。

投手陣の活躍

 打撃陣の活躍は投手陣にも好影響を与えている。最終戦開始前の時点で、5月20日以降の防御率(3.00)、WHIP(1.10)、1試合平均失点(3.33)、被打率(.220)、得失点差(+87)はいずれもメジャートップだ。

 ロイヤルズ3連戦でも投手陣は安定感を見せ、初戦ではタジ・ブラッドリーが6回2/3を無失点に抑える好投。第2戦ではラスムッセンが五回無失点、そして最終戦ではシェーン・バズが八回無失点と自己ベスト級の好投を見せ、3試合でロイヤルズに1点しか与えなかった。

 今季8勝目を挙げたバズは「これは、僕たちが助け合うことができるということを示していると思う。選手同士で助け合い、質問し合い、責任感を持ちながら、全員がベストを尽くしてプレーしている。本当に素晴らしいグループだと思う。本当に、その一員でいられてラッキーだよ」と語る。

 先発陣だけでなく、ブルペンも強力だ。最終戦開始前の時点で救援防御率3.31はメジャー4位。15セーブを挙げている守護神ピート・フェアバンクスのほか、ギャレット・クレビンジャー(防御率2.64)、エリック・オージー(防御率1.91)らがブルペンを牽引している。

 強力な攻撃陣と支配的な投手陣のコンビネーションにより、レイズの快進撃は生み出されている。これは数カ月前に実行に移された「真のチームを作る」という計画の成果である。

 ジョシュ・ロウは「どうすればチームとしてもっと団結することができるか、オフシーズン中も、シーズンが始まってからも、ずっと考えてきた。一緒にチームとしてプレーすること。それを昨季は少し失っていたように思う。でも、今年はシーズンを通して素晴らしい成果を上げることができている。お互いを支え合い、エネルギーを注ぎ合うんだ。そうした状況に到達するまで、少し時間がかかったかもしれないけれど、今は本当にいいチーム状況だし、フィールドで自分たちの力を発揮することができている」と語った。チームとして完成されつつあるレイズの快進撃は、まだまだ続いていきそうだ。


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