ドジャース逆転勝ち 登板前日の大谷が29号先頭弾&同点タイムリー三塁打
2025.6.28 12:43 Saturday
【ロイヤルズ4-5ドジャース】@カンザスシティ/カウフマン・スタジアム、6月27日(日本時間28日)
大谷翔平(ドジャース)が再び完全な二刀流のスーパースターになるまでには、ゆっくりとした段階的な道のりが待ち受けている。しかし、MVP3度受賞のスーパースターは、完全な状態に向けて着実に前進中だ。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は28日(同29日)のロイヤルズ戦に先発する予定の大谷が2イニング目も投げる見込みであることを明かした。今季3度目の登板に臨む大谷だが、2イニング目も投げるのは2023年以来初めてとなる。指揮官の発表から数時間後、大谷は敵地カウフマン・スタジアムで行われたロイヤルズ戦で飛距離429フィート(約130.8メートル)の29号先頭打者アーチと打球速度112.4マイル(約180.9キロ)の同点タイムリー三塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。
ドジャースは2023年シーズンオフに「歴史的選手」と10年7億ドルの超大型契約を結び、大谷が完全な二刀流選手に戻ることを待ち望んできた。ドジャースは大谷がどれくらいのイニングを投げられるか、まだ正確には把握していないものの、大谷が消化できるイニング数はタイラー・グラスナウ、ブレイク・スネル、佐々木朗希といった離脱中の投手たちの復帰時期の決定要因となる可能性がある。このうち、グラスナウはマイナーAAA級で2度目のリハビリ登板を終え、復帰が近づいている。ただし、ドジャースはまだ「投手・大谷」に関して具体的な契約や役割を決めていない。
ロバーツ監督は「ロースターがどんな構成であろうと、自分たちがやりたいことを何でもできるための選択肢があるということが重要なのだと思う。それがショウヘイの素晴らしいところだし、彼が投げられるということの素晴らしさなんだ」と語り、たとえ大谷が長いイニングを投げられなくても、チームにとって大きな戦力であるということを強調した。
大谷が投げられるイニングが何イニングであろうと、その分だけチームにとってプラスになるというのがロバーツ監督の考え方だ。「彼が5~6イニングを投げられなかったとしても、ロースターの枠を圧迫するわけではない。1イニング、2イニング、3イニングと投げてくれれば、その分だけチームにとってプラスになる。正直に言って、1試合1試合を大切にして、次に何が起こるかを見極めることが大事だと思う」と指揮官は語った。
投手としての今後の見通しを決めるうえで、大谷が3度目の登板の試合中や試合後にどのように感じているかという部分が重要になってくるだろう。しかし、打席での状態に関しては、疑いの余地はない。すでにオールスター・ゲーム出場を決めている大谷は、本塁打(29)、長打率(.649)、OPS(1.045)といった部門でナショナル・リーグ1位の数字を残している。
では、投手を再開してからの打撃の調子はどうだろうか。大谷は直近11試合で4本塁打、13打点を記録し、ドジャース打線を牽引。完全な二刀流選手としてカムバックする瞬間は、刻一刻と近づいている。