レイズが大勝で首位に0.5G差 オールスター候補のアランダが特大弾
2025.6.29 11:38 Sunday
【オリオールズ3-11レイズ】@ボルティモア/オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ、6月28日(日本時間29日)
6月28日(日本時間29日)、レイズはオリオールズの11対3で快勝を挙げた。前日は22失点して大敗を喫したレイズは、その鬱憤を晴らすように打線が爆発。中でも飛距離約142メートルの特大弾を放ったジョナサン・アランダのオールスターゲーム選出を望む声が、レイズのチーム内では高まっているようだ。
アランダは初回、オリオールズ先発のザック・エフリンの直球を捉え、ライトスタンドへ特大の10号2ラン。この本塁打はライトスタンドを超え、その奥のユートー・ストリートまで届く特大弾に。2015年のスタットキャスト導入後では球団史上、そして球場史上3位の飛距離を記録した。
このアランダの一発でレイズはリードを3対0に拡大し、その後も打線が爆発。4回にはヤンディ・ディアスにも14号3ランが飛び出し、オリオールズ投手陣から11得点を挙げた。投げても先発のザック・リッテルが7回1失点の省エネ投球を見せ、7勝目をマーク。オリオールズとの3連戦を1勝1敗のタイに戻した。
「彼をアトランタ(今季のオールスターゲームの開催地)に連れていってくれないか?お願いだ」とレイズ外野手のジェイク・マンガムは試合後に言った。先発のリッテルも「彼は間違いなくオールスターに値する選手だ」と、称賛した。彼とはもちろん特大弾を放ったアランダのことだ。
アランダは今季レギュラーに定着し、打率.330、OPS.915と大ブレイクしている27歳。打率.330はアーロン・ジャッジとジェイコブ・ウィルソンに次ぐMLB3位、OPS.915は同8位と、MLB屈指の打撃成績を収めている。
しかし、オールスターのファン投票では惜しくも当選を逃した。ブラディミール・ゲレーロJr.、ポール・ゴールドシュミットの後塵を拝む3位に終わり、決選投票となる第2フェーズには進めず。ゲレーロJr.、ゴールドシュミットは共に打率、OPSではアランダより低かったが、MLB屈指のスター選手を相手にするのは売出し中の27歳には荷が重かった。「システムを理解しています。他の二人もスター選手だと知っています。自分がコントロールできることに集中する。それだけです」と、アランダは淡々と結果を受け止めている。ただ、選手間投票とコミッショナー事務局の指名でオールスターのメンバーに名を連ねる可能性は高いはずだ。
そして、きょうの勝利によってレイズは、再びア・リーグ東地区首位のヤンキースに0.5ゲーム差に迫った。ワイルドカードも1位を維持しており、2位へのリードを4.5ゲーム差に広げている。今のMLBで最も勢いがあるチームと言って良い。
この快進撃の原動力となっているのは、開幕前はウィークポイントと懸念された打線の奮起だろう。アランダなどに牽引され、チーム打率は.260でMLB2位、チームOPS.736はMLB8位だ。そして伝統的に強い投手力も健在。今のレイズはただ勢いに乗っているだけではなく、MLB屈指の隙がないチームとして完成されつつある。