25歳シュウェレンバックがまた好投 初のオールスター選出に前進
2025.6.29 14:21 Sunday
【ブレーブス6-1フィリーズ】@アトランタ/トゥルーイスト・パーク、6月28日(日本時間29日)
ブレーブスとフィリーズによる同地区ライバル3連戦の2戦目は、投手陣の素晴らしいパフォーマンスによってブレーブスに軍配が上がった。ブレーブスはこれでシリーズ戦績を1勝1敗のタイに戻し、プレーオフ圏内まで7ゲーム差に漸進。この試合で光ったのは、本拠地開催となる今季のオールスターへの選出が期待されるスペンサー・シュウェレンバックの圧巻の好投だった。
ブレーブスの先発マウンドを託されたシュウェレンバックは、7回を投げ抜いて自己最多の12三振を奪い、強力フィリーズ打線を1失点に抑え込んだ。そして、ブレーブス打線も好投に応え、オースティン・ライリーとニック・アレンのタイムリーでリードを奪い、さらに七回にはショーン・マーフィーの満塁弾でダメ押し。6対1で地区首位のフィリーズに完勝した。
25歳のシュウェレンバックは、今季素晴らしいパフォーマンスでブレーブスを支えている。シュウェレンバックは防御率3.09でナ・リーグ11位、WHIP0.97で同3位につけており、ポール・スキーンズ(0.91)とザック・ウィーラー(0.92)に次ぐ成績だ。シーズン途中からローテの椅子を掴んだ昨季とは異なり、今季は開幕からローテを支え、17先発で7勝を挙げている。
そして、特に際立つスタッツが、シュウェレンバック本人も意識しているという「イニングと四球」だ。
きょうも7回を投げ抜いたシュウェレンバックは、110回2/3でイニング数MLB1位に立った。シュウェレンバックは過去10回の先発登板で、いずれも6回以上を投げている。これはMLBではブライアン・ウー(マリナーズ)に次いで2番目に長い記録だ。現代では、先発投手が早めに降板するのがもはや当たり前になり、特に若手投手は故障リスクへの懸念からイニング数を制限されることも多い。その中で弱冠25歳でワークホースとして君臨するシュウェレンバックは、異色の存在とも言える。
そして、制球力も抜群。9回あたりに与えた四球の数は1.46個に過ぎず、きょうも12三振に対して四球はわずか1だった。ブレーブスの先発投手が10試合連続で四球を2個以下に抑えるのは、13年ぶりの快挙。そして、三振と四球の比率を示すK/BBでは、タリック・スクーバル(タイガース)に次ぐ6.00を記録している。
スター選手を多く揃えるブレーブスは、今季本拠地で開催されるオールスター・ゲームに多くの選手を送り込むことを期待されていた。ただ、チーム全体の不調もあり、ブレーブス勢がオールスターを席巻するということはもはやなさそうだ。
それでも、シュウェレンバックは球宴への切符をほぼ手中に収めている。「たとえ日曜日(オールスターのロースター発表日)に知らされていなくても、彼が最終的にそのチームに入るかどうかはさまざまな要素によって決まる」とブライアン・スニッカー監督とコメント。仮に当初のロースターに選出されずとも、投手は登板間隔や故障の関係で辞退者が出るのが恒例であり、シュウェレンバックはオールスターに名を連ねることになりそうだ。