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トラウトの同点弾からエンゼルスが逆転勝利 勝率を5割に戻す

2025.6.29 15:25 Sunday

【エンゼルス8-2ナショナルズ】@アナハイム/エンゼル・スタジアム、6月28日(日本時間29日)

 左膝の骨挫傷の手術を受けて1か月間欠場して以来、エンゼルスのスーパースターであるマイク・トラウトは打率を残し、四球を選びこそすれ、故障前のようなパワーを発揮できていなかった。

 しかし、きょうのナショナルズ戦では、まさにファンが待ち望んだ瞬間を現実にした。トラウトは七回に値千金の同点弾を放ち、その後のビッグイニング、そして逆転勝利を演出。エンゼルスは8-2で勝利して、ナショナルズ3連戦の戦績を1勝1敗のタイに戻すとともに、シーズン戦績を41勝41敗とし、勝率5割に復帰した。

 エンゼルスがカイル・ヘンドリックス、ナショナルズがマイク・ソロカの両先発で始まったこの試合はロースコアゲームに。ヘンドリックスが5回1失点、ソロカが6回1失点の好投を見せ、試合は1-1の同点のまま七回に突入した。すると、ナショナルズはライリー・アダムスのタイムリーで1点の勝ち越しに成功。そのまま逃げ切りを図ったが、2番手ザック・ブリクシーがトラウトに同点弾を浴びてしまう。その後もエンゼルスは攻勢を続け、クリスチャン・ムーアのタイムリー、ケビン・ニューマンの3ラン本塁打、押し出し四球で一挙6得点。ビッグイニングで試合をひっくり返し、そして決定付け、ナショナルズを8-2で破った。

 「いい気分だった」とは同点弾を放ったトラウトの談。それもそのはずで、きょうの13号ソロは、トラウトにとっては待ち焦がれたクラッチヒットだった。打った瞬間それとわかる特大の同点弾は、トラウトにとっては、2024年4月15日以来となる7回以降での同点または勝ち越し本塁打。今季のトラウトは試合終盤や接戦の状況(7回以降、同点、1点リード、または同点ランナーが塁上にいる)では36打数4安打とやや苦しんでおり、長打を打てていなかった。

 この同点弾に結びついたのは、トラウトが試合中に行った細かい修正だった。トラウトは初回、先発ソロカの内角低め付近の直球に対し、バットが空を切って三振に打ち取られた。トラウトはこの際、スイングが長くなっていると感じ、打撃コーチとビデオを見て修正に取り組んだ。「肩が閉じて回転すると、スイングが伸びてしまう。最初の打席でそれが分かったから、修正しようとした。」と語ったトラウトは、七回の第3打席ではより厳しいコースに決まった内角低めの直球をコンパクトなスイングで捉えた。

 たとえ今引退しても殿堂入りは確実と言われ、既に名選手としての立ち位置を確立したトラウト。しかし、まだまだ選手として進化し続けている。特に故障前と故障明けでは、選球眼が改善されたと語る。故障者リストに入る前は出塁率は.279とやや落ち込んでいたが、復帰後の出塁率は4割を超え、直近15試合では出塁率.441。シーズントータルでも出塁率は.345に上げてきた。

 レイ・モンゴメリー暫定監督は「驚くことではない。彼は努力を続けてきたし、彼の存在感は攻撃面での貢献はもちろんのこと、ダッグアウトやチームメイトたちとのやり取りでも非常に大きい」と、向上心を持ち続けるスーパースターの存在感を絶賛した。

 トラウトは先日のオールスター投票で、ア・リーグ外野手部門5位に入り、フェーズ2の投票へと駒を進めた。もしオールスター投票で選出されれば、ファン投票で通算11回選出された史上12人目の選手となる。本調子にはまだ遠いトラウトだが、ここから巻き返してオールスターでその姿を見せてくれるだろうか。


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