フィリーズ50勝到達 ウィーラーが8回10K無失点の好投で8勝目
2025.7.1 10:51 Tuesday
【フィリーズ4-0パドレス】@フィラデルフィア/シチズンズバンク・パーク、6月30日(日本時間7月1日)
フィリーズは本拠地で行われたパドレス3連戦の初戦に4-0で勝利。タイガース、ドジャース、アストロズに次いで4チーム目、ナショナル・リーグでは2チーム目となる今季50勝に到達した。敗れたパドレスは、松井裕樹の登板はなかった。
フィリーズに勢いをつけたのは、ブライソン・ストットの走塁だった。二回のチャンスで内野ゴロを放ち、先制点を叩き出していたストットは、四回1死から四球を選んで出塁。二塁への盗塁を決めると、ブランドン・マーシュが放った一塁への内野安打の間に、相手守備陣の隙をついて一気に生還した。
マーシュの打球を捕球したパドレスの一塁ルイス・アライズは、投手のマット・ウォルドロンへトス。打者走者のマーシュとの競争になったが、マーシュのスピードが勝った。この間にストットは三塁を蹴り、ホームへ突入。振り返ったウォルドロンが慌ててホームへ送球したものの、頭から滑り込んだストットの手が先にホームに触れ、ストットはチームに2-0のリードをもたらした。
これは2006年8月9日、敵地ターナー・フィールドで名二塁手チェイス・アトリーが見せた好走塁を彷彿とさせるものだった。
タイムリー内野安打を放ったマーシュは、二塁への盗塁を決めたあと、ウォルドロンの暴投で三塁へ。そして、トレイ・ターナーのタイムリー内野安打で3点目のホームを踏んだ。
初回にマックス・ケプラーが放った本塁打性の大飛球を中堅ジャクソン・メリルに好捕され、先制の3ラン本塁打を阻止されていたフィリーズだが、スピードを絡めて3点をリードすることに成功。ここ最近、得点力不足に苦しんでいたフィリーズにとって、大きな3点となった。
その後、フィリーズは五回にニック・カステヤノスが10号ソロを放ち、4点リードに。カステヤノスは2014年から12年連続の2ケタ本塁打となった。
そして、フィリーズのエース右腕、ザック・ウィーラーにとっては十分すぎる援護だった。ウィーラーは8回107球を投げて6安打、10三振、無四球、無失点という素晴らしいピッチングを披露。今季、2ケタ奪三振&無四球の先発登板は3度目であり、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、タリック・スクーバル(タイガース)、スペンサー・シュウェレンバック(ブレーブス)と並んでメジャートップになった。
ウィーラーは月間防御率0.58で6月を終え、今季通算の成績も8勝3敗、防御率2.27と見事な数字に。自身が育った街であるアトランタで開催されるオールスター・ゲームの先発投手にウェブとポール・スキーンズ(パイレーツ)を推しているウィーラーだが、今季ここまでの活躍を考えれば、自身初となるオールスター先発登板のチャンスもありそうだ。
また、念願のサイ・ヤング賞に手が届く可能性も十分にある。フィリーズに加入した2020年以降、毎年安定してエース級の成績を残しているウィーラーだが、2021年と2024年の2位が最高で、まだ投手最高のアワードには手が届いていない。