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「スタットキャスト」の申し子 オニール・クルーズがHRダービー出場へ

2025.7.9 08:37 Wednesday

 オニール・クルーズ(パイレーツ)は試合中の打席で数々の驚くべき打球を放っているが、最も驚異的な打球のいくつかは打撃練習中に生まれている。複数の球場で3階席に打球を放り込むなど、クルーズの打撃練習には目を見張るものがある。

 14日(日本時間15日)、世界はこうしたクルーズの驚異的な打球の数々を目撃することになる。アトランタのトゥルイスト・パークで行われるホームラン・ダービーにクルーズが出場することが決定したからだ。

 今年のホームラン・ダービーに出場することが決まったのは、クルーズが5人目。すでにロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、カル・ローリー(マリナーズ)、ジェームス・ウッド(ナショナルズ)、バイロン・バクストン(ツインズ)が出場を表明している。

 各球団のスラッガーが名を連ねるホームラン・ダービーだが、クルーズよりも速い打球を打つことができる選手は球界にいない。平均打球速度96.1マイル(約154.7キロ)はメジャートップの数字であり、5月25日に放った122.9マイル(約197.8マイル)の本塁打はスタットキャスト時代(2015年以降)において最も速い打球だった。

 クルーズが持つ記録はそれだけではない。今季118マイル(約189.9キロ)以上の打球はメジャー全体で10本記録されているが、そのうち6本はクルーズが放ったものである。クルーズがメジャーデビューした2022年以降、メジャー全体で最も速い打球24本(ポストシーズンを含む)のうち12本はクルーズによるものだ。

 飛距離で言うと、クルーズの最長飛距離本塁打は2024年7月27日にブランドン・ファート(ダイヤモンドバックス)から放った472フィート(約143.9メートル)。今季は4月23日に463フィート(約141.1メートル)の本塁打を放っており、これは今季メジャー15位に位置する。

 今季のクルーズはここまでチーム最多の15本塁打を記録。すでに28個の盗塁を決めており、バリー・ボンズに次いで球団史上2人目となるシーズン30本塁打&30盗塁を達成する可能性もある。

 パイレーツの選手がホームラン・ダービーに出場するのは、2019年のジョシュ・ベル以来であり、クルーズが球団史上6人目。ほかには1990年にボビー・ボニーヤ、1992年にボンズ、2012年にアンドリュー・マカッチェン、2013年にペドロ・アルバレスが出場している。過去5人はいずれも1回戦で敗退しており、クルーズには球団史上初の初戦突破、そしてホームラン・ダービー優勝の期待がかかる。

 結果はどうあれ、ホームラン・ダービーに招待されたことで、クルーズは名実ともに球界を代表するスラッガーの1人となった。そして、クルーズは来週、その実力を大舞台で証明することになるだろう。


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