ヤンキースの新人シュリットラーが好投 チームを3連勝に導く
2025.7.10 15:15 Thursday
【ヤンキース9-6マリナーズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、7月9日(日本時間10日)
ヤンキースの24歳の新人キャム・シュリットラーが、マリナーズとの3連戦の第2戦でメジャーデビューを飾った。シュリットラーは100マイルに迫る剛速球を唸らせ、六回途中まで7三振の堂々たるピッチング。見事に初勝利を飾り、チームをシリーズ勝ち越し、そして3連勝に導いた。負傷者が続出しているヤンキースの先発投手陣に救世主が現れたかもしれない。
シュリットラーは「MLBパイプライン」の有望株ランキングで球団10位に位置づけられる有望株。約198センチの長身から投げ下ろす直球とスライダーが持ち味で、今季は2Aと3Aで15登板(14先発)して防御率2.82と好投していた。ヤンキースはローテーション投手のクラーク・シュミットが負傷者リストに入ったことを受け、シュリットラーの初昇格を決断した。
初回、シュリットラーはリーグ本塁打王のカル・ローリーから99.6マイルの直球で見逃し三振を奪い、上々のスタートを切る。ヤンキース打線もシュリットラーを援護し、初回に2本のタイムリーで3点の援護をプレゼントした。
シュリットラーはその後、三回と四回に2本のソロ本塁打を浴びたが、一方で自慢の直球とスライダーで三振を量産。ヤンキース打線もマリナーズ先発のローガン・エバンスを捉え続け、ジャズ・チザムJr.のマルチ本塁打などでリードを広げた。
投手陣が9失点を喫したマリナーズは、ヤンキースの2番手ジョナサン・ロアイシガ相手に3得点を入れて詰め寄ったが、反撃はそこまで。9-6でヤンキースは逃げ切り、新人の初勝利を守った。
初勝利を挙げたシュリットラーは「それが私の人生の目標だった。登板して、チームを勝利に導き、その夢を実現できたのは本当に素晴らしいことだ」と感慨深くコメント。アーロン・ブーン監督も「彼はこのチャンスを勝ち取った。多くの選手が欠場しているからというだけでなく、最初の数ヶ月で確実に成績を上げ、仕事をこなしてきた選手だからだ」と24歳の好投を絶賛し、そのまま先発ローテーションに組み込むことを示唆した。
16、17号を立て続けに放ったチザムJr.は「彼にはただこう言ったんだ。『おい、俺たちは君の味方だ。さあ、フィールドに出て自分のやるべきことをやれ。結局のところ、君は人生ずっと野球をやってきたんだからさ』」と、新人を鼓舞したという。シュリットラーも「正直に言うと、今朝はもっと緊張していたと思う。フィールドに出てみんなと触れ合うと、気分が良くなった」と、バックの励ましにも感謝した。
シュリットラーの好投は、ヤンキースの歴史に刻まれるものだった。ヤンキースの歴史上、デビュー戦で7三振以上を奪ったのはわずか10人しかいない。直近ではジョーダン・モンゴメリー(2017年8月12日、タンパベイ・レイズ戦)がこれを成し遂げた。また、このリストには、田中将大(2014年4月4日、トロント・ブルージェイズ戦)やオーランド・ヘルナンデス(1998年6月3日、タンパベイ・デビルレイズ戦)といった名だたる選手も名を連ねている。