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ドラフト1日目 全体1位のナショナルズは17歳の遊撃手ウィリッツを指名

2025.7.14 10:45 Monday

 ドラフトの前には「モック・ドラフト」という指名予想が行われるのが恒例だが、予想通りの結果にならないのがドラフトの楽しさでもある。

 今年のドラフトはスティルウォーター高のイーサン・ホリデイ遊撃手やルイジアナ州立大のケイド・アンダーソン投手がトップ有望株として注目され、MLB.comの最終モックではアンダーソンの全体1位指名が予想されていた。

 しかし、ふたを開けてみると、アンダーソンの名前が呼ばれるのは全体3位、ホリデイは全体4位まで待たなければならなかった。

 全体1位指名権を持っていたナショナルズが指名したのは、フォート・カッブ=ブロクストン高のイーライ・ウィリッツ遊撃手。17歳216日での全体1位指名は史上3番目の若さとなった。父のレジー・ウィリッツはエンゼルスでプレーした元メジャーリーガーであり、ナショナルズは野球IQの高さや人間性も含め、イーライを「今回のドラフトにおける最高の打者であり、最高の野手である」と評価した。

 全体2位のエンゼルスはカリフォルニア大サンタバーバラ校のタイラー・ブレムナー投手を指名。MLBパイプラインのドラフト有望株ランキングでは18位の選手であり、「サプライズ指名」と言っていいだろう。近年のエンゼルスは即戦力の大学生を上位指名する傾向があり、最速98マイルのファストボールにチェンジアップ、スライダーを併せ持つブレムナーも早い段階でメジャーに上がってくるかもしれない。

 そして、全体3位のマリナーズがアンダーソン、全体4位のロッキーズがホリデイを指名。強力投手陣を誇り、投手育成にも定評があるマリナーズにアンダーソンが加わるのは楽しみだ。また、ホリデイは父のマット・ホリデイがかつてプレーしたロッキーズでプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになった。

 全体5位のカージナルスはテネシー大のリアム・ドイル投手、全体6位のパイレーツはコロナ高のセス・ヘルナンデス投手を指名。ヘルナンデスは高校生右腕として史上初の全体1位指名の可能性も取り沙汰されていたが、最終的には全体6位に落ち着いた。

 全体7~10位は遊撃手の指名が続き、マーリンズは全体7位でオレゴン州立大のアイバ・アーケット遊撃手、ブルージェイズは全体8位でパービス高のジョジョ・パーカー遊撃手、レッズは全体9位でヘウィット=トラスビル高のスティール・ホール遊撃手、ホワイトソックスは全体10位でコロナ高のビリー・カールソン遊撃手を指名。これにより、全体11位のアスレチックスはMLBパイプラインのドラフト有望株ランキングで4位の高評価を受けていたフロリダ州立大のジェイミー・アーノルド投手を指名できるという幸運に恵まれた。

 その後、全体27位のガーディアンズまで1巡目指名が続き、全体28位ではボビー・ウィットJr.のMVP投票ランクインにより「有望株昇格インセンティブ」の追加指名権を得たロイヤルズがウェズリアン・クリスチャン・アカデミーのジョシュ・ハモンド三塁手を指名。FA移籍の補償指名権(全体29~32位)、戦力均衡ラウンドA(全体33~43位)と続き、全体44位から2巡目指名に突入した。

 ちなみに、メッツ、ヤンキース、ドジャースの3球団は、ぜいたく税の2番目の基準額を超過したことで「最上位の指名権が10ランクダウンする」というペナルティを受けており、それぞれ持っていた全体28・29・30位の指名権が全体38・39・40位に変更。戦力均衡ラウンドAの中に組み込まれることになった。

 なお、今年からドラフトは2日間で行われることになり、1日目は3巡目直後のFA補償指名権まで、総勢105人の選手が指名を受ける。


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