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パドレスが剛腕ミラーらをアスレチックスから獲得 超有望株を対価に

2025.8.1 05:56 Friday

 31日(日本時間8月1日)、パドレスが救援右腕メイソン・ミラーと先発左腕JP・シアーズをアスレチックスからトレードで獲得。対価として「MLBパイプライン」のプロスペクトランキングで球界3位のレオ・デブリースら4人の有望株がアスレチックスへ移籍する。パドレスのAJ・プレラーGMが再びトレード市場を揺るがすビッグディールを成立させた。

 現在26歳のミラーは昨季オールスターにも選出された球界屈指の剛腕。昨季は55登板で28セーブを挙げ、9回あたりの奪三振数(K/9)14.40個とブレイクを果たした。今季は防御率こそ3.76と振るわないが、38登板で既に20セーブを挙げている。

 ミラーの獲得によって、パドレスは既に球界最強とうたわれるブルペンに新たなトップリリーバーを加えたことになる。パドレスのブルペンはこれまでMLBトップの防御率2.97を記録し、オールスター・ゲームに3選手(ロベルト・スアレス、エイドリアン・モレホン、ジェイソン・アダム)を送り込む史上初の快挙を成し遂げたばかりだ。

 また、ミラーは来季以降、先発投手として活躍する可能性もある。アスレチックスでは先発投手としてデビューし、才能の片鱗を示しながらも、負傷のリスクを懸念して昨季から救援に転向した。ミラー獲得のために莫大な対価を支払ったパドレスには、過去にセス・ルーゴやマイケル・キングの先発転向を成功に導いた実績もあり、今回も同じ道を模索するかもしれない。

 一方、シアーズは先発ローテーションに安定感をもたらす存在として期待される。29歳のシアーズは今季、22先発で7勝9敗、防御率4.95をマーク。通算防御率も4.48と支配力には欠けるが、過去2年は負傷なく年間32先発ずつをこなしたワークホースだ。今季のパドレスの先発ローテーションは、キングやダルビッシュ有といった主力投手の離脱が相次いだ。怪我知らずのシアーズは2028シーズンまで3年半の保有期間を残し、今後長くローテーションを埋められる存在になり得る。

 しかし、ミラーとシアーズの獲得に要した対価は決して安くはなかった。パドレスは球界最高のプロスペクトの一人と称されるデブリースを放出した。デブリースは弱冠18歳ながらハイAで今季82試合に出場し、OPS.767と平均以上の打撃成績をマーク。守備力・脚力にも高い評価を受けている。

 また、デブリースの他にも3人の投手プロスペクトを放出した。23歳のブレイデン・ネット(パドレス3位)は最速99マイルの直球を武器に高い奪三振力を誇る。22歳のヘンリー・バエズ(同13位)も、今季ダブルAの20先発で防御率1.96と好投していた。そして26歳のエドゥアルニエル・ヌニェス(同17位)も101マイル(約163キロ)を超える豪速球を武器に、今季メジャーデビューを飾った救援右腕だ。

 「我々が決して恐れたことがないのは、選手をトレードすることだ」と昨夏のトレード・デッドラインでプレラーGMは語った。その言葉通りにミラー争奪戦を制したあともパドレスのトレード攻勢は続いており、ロイヤルズからキャッチャーのフレディ・ファーミンを、オリオールズからはオールスター選出の大砲ライアン・オハーンと外野手ラモン・ローレアーノを獲得したと報じられている。


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