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「まるで魔法」ブルワーズがまた逆転勝利 サヨナラで9連勝飾る

2025.8.11 11:24 Monday

【ブルワーズ7×-6メッツ】ミルウォーキー/アメリカンファミリー・フィールド、8月10日(日本時間11日)

 ブルワーズは最大5点のビハインドをひっくり返し、7-6でメッツに逆転サヨナラ勝利。ウィリアム・コントレラスのマルチ本塁打、ジョーイ・オーティズの3打点で同点に追いつくと、最終回に新人アイザック・コリンズがサヨナラ本塁打を放って試合を決めた。破竹の快進撃は止まらず、連勝は9に伸びている。

 前夜からミルウォーキーは記録的な大雨と突発的な洪水に晒されたが、それすらも今のブルワーズの勢いは止められなかった。球団によれば、本拠地アメリカンファミリー・フィールドへの主要アクセス道路のうち2本が冠水し、駐車場の1万3000台以上の駐車スペースの約半数も冠水したという。しかし、球場は良好な状態と見て、開催を強行。ブルワーズの選手たちは冠水を避けた通勤ルートをテキストメッセージで共有し、球場に辿り着いた。

 そしてこの厳しい環境の中、33700人のファンも球場に集まった。キャリア初のサヨナラ本塁打を放ったコリンズは「正直、ファンが来てくれるかどうか分からなかったけど、本当に来てくれた。このチームとこの街のためにプレーできることが本当に嬉しい」と、ファンに感謝を述べた。

 ブルワーズは今季の破竹の快進撃によってファンの心を掴んでいる。オフにはウィリー・アダメスとデビン・ウィリアムズという2人のスター選手を失ったが、コリンズのような無名の選手が続々と開花。低予算でも強豪と渡り合う不屈のチームカラーは試合にも現れ、直近の9連勝では6試合が、そしてスイープ(3連勝)したメッツとの3連戦では全ての試合が逆転勝利だ。

 この日、ブルワーズは先発のクイン・プリースターが6失点と崩れ、四回には一時0-5の劣勢に立たされた。しかし四回、コントレラスの11号ソロとオーティズの2点タイムリー反撃の狼煙を上げると、五回にもコントレラスが12号2ラン。2番手DL・ホールが3回2/3を無失点の好救援で僅差を保ったのも奏功し、ついにメッツの背中を捉えた。八回、剛腕ライアン・ヘルスリーから再びオーティズが同点タイムリーを放ち、6-6の同点となる。

 そして九回、先頭のコリンズがライトへサヨナラ本塁打。メッツの守護神エドウィン・ディアスに2-2と追い込まれたにもかかわらず、決め球のスライダーを完ぺきに捉えた。今季8本目の本塁打はキャリア初のサヨナラヒットであり、野球人生においても初のサヨナラ本塁打となった。

 コリンズは「言葉で説明するのは難しい」と感慨深げに語った。この28歳のオールドルーキーは、まさに今季のブルワーズを象徴するシンデレラストーリーを演じている。前所属はロッキーズで、2022年にはダブルAですら打率.221、OPS.684と平凡な成績に終わっていた。しかし、その年のオフにルール5ドラフト(選手の出場機会を増やすための現役ドラフト)のマイナー選手ラウンドでブルワーズに指名されたのが転機に。2023-24年はマイナーで好成績を残し、今季はメジャーで外野のレギュラーに定着。リーグ屈指の好守、そして好打でナ・リーグの新人王候補にも挙がっている。

 「まるで魔法がかかっているみたいだ。野球ってそういうものなんだ。とにかく楽しい。すごく楽しんでいるよ」とコリンズは語る。ブルワーズの魔法のような快進撃はまだ終わらない。


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