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カブスが接戦を落とす PCAはスランプから学ぶ日々

2025.8.16 12:03 Saturday

【カブス2-3パイレーツ】シカゴ/リグレーフィールド、8月15日(日本時間16日)

 カブスはパイレーツとの3連戦の初戦に2-3で敗戦。後半戦に入ってから低調な打線がパイレーツ投手陣を攻めあぐね、2-2のまま突入した最終回、守護神ダニエル・パレンシアが決勝弾を浴びて万事休す。地区首位ブルワーズが連勝を13に伸ばしたことで、差は9ゲームに広がってしまった。

この日、MVP級の活躍を見せた前半戦から急ブレーキがかかっているピート・クロウ=アームストロングは3安打を放った一方、2つの痛恨の走塁ミスを犯した。また鈴木誠也は4打数1安打に終わった。

 8月に入ってからカブス打線は低迷しており、中軸から外れたクロウ=アームストロングの不調もその大きな要因の一つだ。彼は今シーズン、27本塁打、30盗塁、OPS.820を記録しており、7月1日から8月1日までの1ヵ月間のOPSは.985だった。しかし、8月1日から14日(同15日)までの10試合で、打率.053(38打数2安打、単打2本)と低迷していた。

 23歳のクロウ=アームストロングはこの日、試合前の時間をクレイグ・カウンセル監督のオフィスで過ごした。クロウ=アームストロング曰く、監督と時間をかけて話し合うのは珍しいことではなく、会話の中で提示される監督の視点やサポートは励みになっているという。直前の遠征先であるトロントでも行った話し合いに引き続き、監督は「今週は何を学んだんだい?」とクロウ=アームストロングに問うた。

 大谷翔平(ドジャース)とナ・リーグMVPを争い、クロウ=アームストロングは既に球界のスターへと羽ばたきつつある。それでも23歳の外野手はまだ発展途上。「これは学ぶべき素晴らしい教訓だ。そして、より良い選手になるための一部でもある」とカウンセル監督は8月のスランプを前向きに捉えている。

 カウンセル監督、そしてチームのベテラン選手がクロウ=アームストロングに説いている教訓が、打撃不振に陥ったときに他の方法で貢献する術だ。これは言葉にすることこそ簡単だが、プレッシャーのかかるポストシーズン争いでそれを行うには、当然焦りが生まれる。「自分の役割を果たせず、貢献できていないと感じると、自分のせいだというプレッシャーを感じてしまう。結局のところ、それは少し利己的なアプローチだと思う。カウンセル監督(そしてベテランのジャスティン・ターナー)がいつも私に言い聞かせてくれたように、誰と話しても、重要なのは自分が周りのために何ができるかだ」とクロウ=アームストロングはこの日の試合前に語った。

 「繰り返しになるけど、それが野球の難しいところだ。センターで活躍できず、貢献できていないと感じることもある。最近はそういうことが少し見えてきたけど、走塁で正しい判断ができないこともある。だから、そういうことが積み重なってくると、本当に最悪なんだ」。

 クロウ=アームストロングは四回2死二塁の場面で、ライト線へタイムリーを放った。二塁走者の鈴木が生還して先制点をもたらしたが、二塁を欲張ってタッチアウトに。七回、アイザイア・カイナー=ファレファが左中間へ勝ち越しのタイムリー二塁打を放った際には、驚異的な脚力で打球に迫ったが、ダイビングの際に膝を痛めてしまった。

 そして1点のビハインドを背負った最終回の攻撃、クロウ=アームストロングは先頭で安打を放ったが、その後二盗を試みて盗塁失敗。追い上げたいカブスにとって、決定的なアウトとなった。

 有り余る積極性が裏目に出る場面もあったが、積極的なプレーこそが前半戦に見せたクロウ=アームストロング本来の姿と言える。カウンセル監督は「ピート・クロウ=アームストロングが一塁にいるなら、我々は走らせるよ。もちろんリスクは伴う。そして残念ながら、リスクを負うとこういう結果になる。しかし、我々は常にそのような状況で積極的に攻めるつもりだ」と語り、盗塁失敗の責任を被った。

 二塁手のニコ・ホーナーも「ピートは今日、本当に素晴らしいプレーを見せてくれた。何も変えるべきことはない」とコメント。クロウ=アームストロングらしい積極的なプレーが停滞するカブスに再び火を付けるだろうか。


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