ブルワーズが球団新記録の14連勝 モナステリオの2号3ランが決勝打に
2025.8.17 11:38 Sunday
【レッズ5-6ブルワーズ】シンシナティ/グレートアメリカンボールパーク、8月16日(日本時間17日)
ブルワーズの名選手であり、現在はブルワーズの最大のファンであるロビン・ヨーントは、毎試合すべてのイニングを観戦するわけではない。いや、そもそも何イニングも観戦するわけではない。それでも毎日スコアをチェックし、機会があればチームの状況をチェックしている。たとえば、7月のハワイ旅行中に冷たいドリンクを飲むためにバーに行き、たまたまテレビでブルワーズ対ドジャースの試合が流れているのを見つけたときなどだ。
ヨーントはそのとき、座って試合を観戦した。するとブルワーズが勝ったので、翌日も同じバーで同じ場所に座って試合を観戦した。またしてもブルワーズは勝利した。
ここ最近、ブルワーズは毎日のように勝利を挙げている。ヨーントが現役だった1987年に開幕から球団記録の13連勝をマークしたときと同じように、快進撃が続いている。ブルワーズは敵地グレートアメリカンボールパークで行われたレッズとの熱戦を制し、ミルウォーキーの野球の歴史に新たな連勝記録が刻まれることになった。
負けることを拒むチームは、1点ビハインドの九回にノーヒットで同点に追いついた。10回に勝ち越したあと、同点に追いつかれ、試合は11回に突入したが、ここで思わぬヒーローが誕生した。途中出場していた控え内野手のアンドリュー・モナステリオだ。背番号「14」のモナステリオが勝ち越しの2号3ランを放ってチームを勝利に導き、ブルワーズは今季メジャー最長かつ球団新記録となる「14」連勝を達成した。
モナステリオはこれまでにメジャー3シーズンで5本塁打を放っていた。今季は39試合に出場して1本塁打。しかし、こうした「伏兵」から重要な一打が飛び出すのが今のブルワーズである。
ブルワーズ一筋で20年間プレーし、アメリカ野球殿堂入りも果たしているヨーントは「今、彼らは全国的なニュースになっている。誰もがブルワーズについて話しているんだ。全国の友人から『ブルワーズはどうなっているんだ?』とメッセージが届く。彼らの野球がみんなを魅了しているのだと思う」と嬉しそうに語った。
全国の視聴者を特に魅了しているのはブルワーズのプレースタイルだ。彼らはとにかくボールを前に飛ばし、インプレーにしようとしている。
ブルワーズの先制点は、二回にブライス・トゥラングが放ったタイムリー二塁打。右翼手のノエルビ・マルテが捕れそうな打球だったが、打球はマルテの頭上を越えていった。九回に追いついたのは、併殺を狙った遊撃手のエリー・デラクルーズの悪送球。併殺になれば試合終了で連勝ストップだったが、ブルワーズは土壇場で追いついた。10回にはウィルソン・コントレラスのレフト前ヒットを捕球した左翼手のジェイク・フレイリーが負傷。ブルワーズはこの間に勝ち越し点を挙げた。そして11回にはトゥラングのバント安打でチャンスを広げ、モナステリオが勝ち越し3ラン。いずれもボールを前に飛ばしたからこそ起こった出来事だ。
ブルワーズは簡単に三振せず、ボールを前に飛ばすことでレッズにプレッシャーを与え続けた。14連勝はメジャーでは2022年のマリナーズ以来3年ぶり。この10年間で15連勝以上を記録したのは、2021年9月に17連勝をマークしたカージナルスだけである。ブルワーズの連勝がどこまで続くか注目だ。