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ブルワーズが両リーグ最速の80勝到達 トゥラングが今永から先制アーチ

2025.8.22 07:03 Friday

【カブス1-4ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、8月21日(日本時間22日)

 ブルワーズは過去7年間で6度のポストシーズン進出を果たしているが、その中で追う立場も追われる立場も経験した。カブスのクレイグ・カウンセル監督はそのほとんどの期間でブルワーズを率いていたため、ポストシーズン進出までのさまざまな道のりを熟知している。

 カウンセル監督は、自分が追う立場と追われる立場のどちらが好きかを知っている。かつてブルワーズを率いた指揮官が好むのは、首位ブルワーズを追いかけているカブスが現在いる側の立場ではない。

「(必死に首位を追いかける立場より)追われる立場のほうがマシだよ」とカウンセル監督は語った。

 首位攻防5連戦の最終戦、ブルワーズは8月好調のブライス・トゥラングが14号2ランを放って先制点を叩き出し、クローザーのトレバー・メギルは節目の30セーブ目を記録。カブスに4-1で勝利し、両リーグ最速となる今季80勝に到達した。

 今回の5連戦はカブスが3勝2敗で勝ち越し。シーズントータルでも7勝6敗となり、カブスが勝ち越しを決めた。これにより、カブスとブルワーズが同率首位でレギュラーシーズンを終えた場合、直接対決で勝ち越しているカブスが地区優勝することになる。しかし、大きくリードしているのはブルワーズ。5連戦の最終戦を制して3カ月以上ぶりの3連敗を止め、残り34試合という状況で2位カブスとのゲーム差を7に広げた。

 勝利したブルワーズだが、先発のクイン・プリースターは決してベストパフォーマンスではなかった。

 ブルワーズは5月30日以降、プリースターが登板した試合で15勝0敗と「不敗神話」を続けている。この間、プリースターは12試合に先発したほか、オープナーに続く投手として3試合に登板。自身は10連勝をマークしており、これはクリス・ボシオとカル・エルドレッドに並ぶ球団タイ記録だ。カブス5連戦の最終戦で球団新記録を樹立する可能性があったが、四回と五回に制球を乱し、五回途中で降板。ブルワーズは早めにブルペンを投入せざるを得なくなった。

 ブルワーズのブルペン陣は2番手のニック・ミアーズが五回の最後の2つのアウトを取ると、六回以降はグラント・アンダーソン、ジャレッド・ケイニッグ、アブナー・ウリーベ、メギルが無失点リレー。5人のリリーバーが合計14個のアウトを取り、試合を締めくくった。

 カブス先発の今永昇太から先制点を叩き出したのは、8月好調のトゥラングのバットだった。二回2死一塁で迎えた第1打席で右中間への14号2ラン。早くも8月8本目の本塁打となり、メジャー1年目(6本塁打)と2年目(7本塁打)の本数を8月だけで上回った。

 2-1と1点リードで迎えた八回にはアイザック・コリンズが貴重な追加点となる2点タイムリー。コリンズはこの試合ここまで3打数無安打、今回のシリーズ通算でも14打数無安打、直近22打数でわずか1安打と当たりが止まっていたが、試合終盤に大きな一打を放った。この追加点により、八回以降に登板したウリーベとメギルは余裕を持ってピッチングをすることが可能になった。

 5連戦の2戦目から3連敗を喫していたブルワーズにとって、最終戦の勝利はチームの雰囲気を変えるために必要なものだった。長年、ブルワーズは過小評価されながらも実力を発揮してきたが、現在はメジャー最強チームと評価されつつある。そのプレッシャーの中で直近5年間で4度目となる地区優勝を目指している。

 カブスのカウンセル監督は「追いかける立場にいると、より集中力が高まり、日々の緊張感が増していくんだ」と追う立場のメリットについて語る。大きくリードしているブルワーズだが、追われる立場として、地区優勝の大本命として、プレッシャーを感じながらの戦いが続いていることは間違いない。

 7ゲーム差をつけられているカブスもまだ諦めていない。カウンセル監督は「もし地区優勝を狙うなら、厳しい戦いになるだろう。でも、まだやれることはある。相手(ブルワーズ)がリードしているが、彼らにとって厳しい戦いになるように、われわれも戦っていきたい」と現実を受け止めつつ、意気込みを語った。


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