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スキーンズに次ぐ怪物誕生か パイレーツのチャンドラーが初陣で好投

2025.8.23 15:07 Saturday

【パイレーツ9-0ロッキーズ】ピッツバーグ/PNCパーク、8月22日(日本時間23日)

 パイレーツの超有望株ババ・チャンドラーがデビュー戦に登板し、4回無失点3三振と好投。5回無失点6三振を記録した先発のブラクストン・アッシュクラフトとの完封リレーを成し遂げ、キャリア初セーブを挙げた。ポール・スキーンズに次ぐ怪物と期待される22歳がついにヴェールを脱いだ。

 パイレーツ先発のアッシュクラフトはロッキーズ打線を圧倒。8月上旬から先発ローテーションに組み込まれた25歳の新人は得意の変化球が冴え渡り、5回1安打1四球6三振の好投を披露した。

 アッシュクラフトの球数は65球に過ぎなかったが、ロッキーズ投手陣から大量リードを得ていたパイレーツは継投を選択。超有望株ババ・チャンドラーのお披露目を行った。

 「MLBパイプライン」の有望株ランキングでは球団2位、球界全体では7位に入るチャンドラーは、前評判に違わぬ剛速球を披露。最初のアウトを99.9マイル(約160.8キロ)の直球によって見逃し三振で奪うと、その回最後のアウトも100.4マイル(約161.6キロ)のボール球を振らせて空振り三振で奪った。

 ただ、チャンドラーは「100マイルを超えていたの?よかった」と試合後にその事実を知った。投球後はスピードガンを確認するのではなく、デビュー戦に駆けつけた家族の姿を探していたのだ。チャンドラーはピッチクロックのせいで投球間に家族を見つけるのに苦労したが、やがてチャンドラーのユニフォームを着込んだ集団に気づいた。

 チャンドラーはそのまま試合の最後まで投げ抜き、4回無失点3三振無四球と好投。球団史上初めてデビュー戦でセーブを挙げた投手となり、さらにデビュー戦で4イニング無失点でセーブを記録した史上初の投手となった。

 チャンドラーは高校時代、規格外のマルチアスリートとして知られていた。野球のみならずバスケットボールやアメリカンフットボールでも活躍し、特に後者の腕前は強豪クレムゾン大からクォーターバックとしてオファーを受けるほど。さらに野球では左投げでも85-87マイル(約136-140キロ)をマークしたほか、投打二刀流でドラフト指名を受けた。

 勝利投手となったアッシュクラフトが「彼は信じられないほどの才能の持ち主だ。今まで見た中で最高の投手の一人だ」と絶賛するように、チャンドラーは数多くの才能の中から投手としての道を選んだ。

 二刀流をやめて投手に専念した2023年からわずか2年半でメジャーデビューは驚異的と言うほかないが、「それほどストレスを感じているタイプではないけど、ここ数ヶ月はここに来るのに必死だった」と、制球を乱してデビューまで足踏みした今季の前半について振り返った。

 笑顔を浮かべるチャンドラーは、念願のデビューを飾って肩の荷がいくらか下りたようだ。「誰とでも同じように、僕も毎日努力して、どんなことでもできる限りベストを尽くそうとしているんだ。オフシーズン中もシーズン中も、『最悪だ』って思うことがよくある。トンネルの出口の光はどこにあるんだろうって感じだった。でも、僕はそれを見つけた。今は両親に会って、楽しもうと思ってるんだ」と屈託なく語った。


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