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ウィーラーを失ったフィリーズ 元エース・ノラの復活が鍵に

2025.8.24 14:05 Sunday

【ナショナルズ4-6フィリーズ】ワシントンDC/ナショナルズパーク、8月23日(日本時間24日)

 フィリーズは先発のアーロン・ノラが6回3失点と試合を作り、ナショナルズに6-4で勝利。同日にエースのザック・ウィーラーの今季全休が発表され、かつてのエースであるノラの復活は、ポストシーズンを勝ち抜く上で今や必要不可欠となった。その中でノラが復活の足がかりとなる好投を見せた。

 ウィーラーとともに長年ダブルエースを張っていたウィーラーは今季、キャリア最悪の不振に苦しんでいる。負傷の影響でわずか11先発にとどまり、防御率も6.52。前回登板のナショナルズ戦ではキャリア最短の2回1/3で6失点と、後半戦に入っても復調の兆しは見られなかった。

 試合前にウィーラーの今季全休が報じられたこの試合、ノラは6回3失点(自責2)でソロ本塁打を2本浴びただけでクオリティスタートを記録。直球の平均球速は今季最速の92.6マイル(約149キロ)を記録して6三振を奪うなど、その内容は希望を感じさせるものだった。本人も「球速が少し上がると、ボールをコントロールしやすくなり、打席に届く前に少し縦変化がつく。今夜は速球の感触が良かったし、それが他の要素、特にカーブの決め手にもなった」と手応えを感じていた。

 そしてウィーラーの負傷について問われると「彼を失うのは辛い。特に彼の実力とシーズンのこの時期を考えるとね。チームにとっても、街にとっても、組織全体にとっても辛いことだが、彼の穴を埋めて、できるだけ多くの試合に勝てるよう、全力を尽くすつもりだ」と語り、ウィーラーの穴埋めを誓った。

 フィリーズの最大の強みである先発投手陣。それはウィーラーの存在あってこそだった。しかし、ウィーラーが離脱してもなお、フィリーズにはまだ強力な先発投手が揃っている。

 ウィーラーに変わって1番手を務めるのは、サイ・ヤング賞を争うクリストファー・サンチェスだろう。そこからレンジャー・スアレスとヘスス・ルザードと優秀な左腕が続く。しかし、たいていのチームはポストシーズンで同じ利き腕の投手を3試合連続で先発させることを避けたがる(2009年のフィリーズがポストシーズン開幕から3試合連続で左腕を先発させた最後のチームだ)。

 加えて、スアレスとルザードは不調に陥る時期もあり、やはりノラの復活は欠かせない要素になる。ロブ・トムソン監督も「ノラには良いピッチングを期待している。本当にそうだ。彼は長年この仕事をやってきた。経験豊富だ。過去にも苦境を乗り越えてきた。きっと大丈夫だ」と、ノラの復活に期待を寄せた。

 ノラは「とにかく、とにかくステップアップする必要がある。もっといい試合を投げないといけない。レギュラーシーズンも残り1ヶ月ほど。全力を尽くして、自分が出場するたびにチームを勝利に導けるように全力を尽くすつもりだ」と意気込みを語った。


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