オリオールズ シーズン最後の1カ月は6人制ローテーションを採用へ
2025.8.28 12:37 Thursday
9月に入ると、オリオールズ先発陣の起用法が変わる。オリオールズは2025年シーズンの残りを6人制の先発ローテーションで戦うことを選択した。
27日(日本時間28日)、オリオールズのトニー・マンソリーノ監督代行は本拠地でのレッドソックス戦の試合前、シーズン最後の1カ月を6人制の先発ローテーションで戦う方針を明かした。マイナーでのリハビリ登板を終えた右腕タイラー・ウェルズの復帰が迫っており、先発の頭数が十分に揃ったからだ。
オリオールズは26日(同27日)のレッドソックス戦でカイル・ブラディッシュが復帰。トミー・ジョン手術後の初登板でクオリティスタートを達成し、10三振を奪う好投を見せた。
ディーン・クレーマーと菅野智之の両右腕、トレバー・ロジャースとケイド・ポビッチの両左腕にブラディッシュとウェルズが加わり、6人制の先発ローテーションを形成。全員が健康であれば、シーズン終了まで、この6人がローテーションを回していくことになる。
マンソリーノ監督は「今季の残り試合で、通常の休息(=中4日)で登板する投手は1人もいないと思う」と語った。
オリオールズの今回の決断には、いくつかの理由がある。ポストシーズン進出の可能性はかなり低いため、2026年シーズンを見据えた育成と準備に取りかかっているのだ。
ブラディッシュとウェルズは大きな手術から復帰したばかり
オリオールズはポストシーズン進出の可能性が低いため、選手たちに無理をさせる必要はない。ブラディッシュとウェルズは来季の主力投手として期待されており、手術明けの両投手を中5日以上の間隔で登板させるのは理にかなっている。
復帰戦でのブラディッシュのピッチング、そして登板後の状態もマンソリーノ監督代行を安心させた。指揮官は「彼のリハビリは正式に終了した。もうリハビリは必要ない。彼はメジャーリーグの先発投手だ」とブラディッシュの完全復活を宣言している。
ウェルズは9月1日(同2日)から始まるパドレス3連戦で復帰する予定。9月に入るとアクティブロースターが26人から28人に拡大されるため、先発投手を1人増やす余裕が生まれる。ウェルズは2023年に7勝6敗1セーブ、防御率3.64と堅実な活躍を見せており、ブラディッシュとともに復活が期待されている。
クレーマーと菅野にとって長い1年
負傷者が続出した今季のオリオールズにおいて、クレーマーと菅野は先発ローテーションを守ってきた。2人ともすでに多くのイニングを投げている。
クレーマーは今季ここまで152回1/3を投げ、キャリアハイ(2023年の172回2/3)に迫っている。昨季は負傷離脱があったため、129回2/3しか投げておらず、昨季との比較では大幅なイニング増加となっている。
メジャー1年目の菅野は25先発で137回1/3を投げ、10勝6敗、防御率4.06を記録。35歳の菅野が160イニング以上を投げたのは投手三冠に輝いた2018年が最後であり、オリオールズには菅野に休息を与えたいという思惑もある。
マンソリーノ監督代行は「(負傷者が戻ってきたことで)ディーンとトモに1日分の余裕を与えることができる。いいことだ」と語っている。
ブランドン・ヤングはどうなるのか
今季12試合に先発したヤングは左ハムストリングを痛めて22日(同23日)に負傷者リスト入り。27日(同28日)には60日間の負傷者リストに移行したことが発表され、正式にシーズン終了となった。
ウェルズの準備がまだ整っていなかったため、オリオールズは27日(同28日)のレッドソックス戦をブルペンゲームで乗り切った。
ヤングのデビューイヤーは浮き沈みの激しいものとなったが、7月8日のメッツ戦ではイマキュレートイニング(=9球で3者連続3球三振)を達成。7月29日のブルージェイズ戦では完全試合に迫る快投を見せ、待望のメジャー初勝利を手にした。
12度の先発登板で1勝7敗、防御率6.24を記録したヤングは「タフな1年だった。いい点よりも悪い点ばかり見てしまうけれど、冷静に振り返る必要があると思う。いい点もあったし、悪い点もあった。メジャー1年目で多くのことを学ぶことができたから、来季またマウンドに立つのを楽しみにしているよ」と語った。
