English Español 韓国語

カブスが9月に向けて戦力補強 ベテランのサンタナと右腕シバーリを獲得

2025.9.1 14:35 Monday

 9月になると、各球団はロースターに新たに2選手を加えることができる。カブスのクレイグ・カウンセル監督は「限られたスペースを補強が必要なエリアに絞って活用していきたい」との方針を示していた。

「すべてを解決することはできないんだ」とカウンセル監督。「つまり、どの部分を強化して、どのように戦力を安定させていけばいいのか、ということを考えないといけない」と拡大されるロースター2枠の使い道に言及した。

 ロースター拡大の前日となった8月31日(日本時間9月1日)、カブスは新たな2選手の獲得に動いた。まずはガーディアンズを解雇されたベテラン一塁手、カルロス・サンタナとメジャー契約を結ぶことで合意。MLB.comは複数の関係者から情報を得た。さらにホワイトソックスからウエーバーで先発右腕アーロン・シバーリを獲得。なお、サンタナ獲得について、球団からの公式発表はまだ行われていない。

 8月末に移籍が決まったことにより、サンタナとシバーリはポストシーズンの出場資格を得ることになる。カブスは現在、ナショナル・リーグ中地区の優勝争いで首位ブルワーズと6.5ゲーム差。ワイルドカード争いではトップに立っている。選手がポストシーズンの出場資格を得るためには、アメリカ中部時間9月1日午前11時までにいずれかの球団に所属している必要がある。

 サンタナはガーディアンズからリリースウエーバーにかけられ、他球団が獲得に動かなかったため、一旦FAとなったあとにカブスと契約を結ぶことになった。カブスの首脳陣とつながりがあり、カブスのカーター・ホーキンスGMがクリーブランドのフロントオフィスにいた時期にクリーブランドでプレー。また、2023年には当時ブルワーズの監督だったカウンセルのもとでプレーした経験もある。

 カブスは一塁にマイケル・ブッシュ、DHに鈴木誠也というレギュラーがおり、39歳のサンタナは同じく大ベテランのジャスティン・ターナーとともに、ベンチの層に厚みをもたらす存在となるだろう。サンタナは今季、左腕に対してOPS.681と苦戦しているものの、昨季はツインズで左腕に対してOPS.934の好成績をマーク。通算でも左腕に対してOPS.819を記録しており、対左腕時の起用が多くなることが予想される。

 また、サンタナは一塁の守備も安定しており、昨季はゴールドグラブ賞を受賞。今季も守備指標OAA(Outs Above Average)で上位5%に入る好成績を残している。打席では通算335本塁打の長打力に加えて選球眼に定評があり、通算出塁率.352、通算1330四球の実績を誇る。

 サンタナは16年間のメジャー生活で7球団を渡り歩き、通算OPS.778、OPS+でも112を記録(平均より12%優れていることを表す)。そのうち11シーズンはクリーブランドでプレーしており、2016年にはリーグ優勝を成し遂げてワールドシリーズでカブスと対戦した。5年ぶりにガーディアンズに復帰した今季は、ここまで116試合に出場して打率.225、11本塁打、52打点、52四球、出塁率.316、OPS.649と精彩を欠き、8月の終了を前にガーディアンズを放出された。

 30歳のシバーリはメジャー7年間で通算135試合に先発。昨季までガーディアンズ、レイズ、ブルワーズでプレーし、今季途中にブルワーズからホワイトソックスへ移籍した。今季は18度の先発登板で89イニングを投げ、3勝9敗、防御率5.26、74三振、33四球と自己最悪の成績になっている。

 カブスの先発ローテーションは現在、今永昇太、マシュー・ボイド、ケイド・ホートン、コリン・レイ、ハビアー・アサッドという顔ぶれ。負傷者リスト入りしているジェイムソン・タイオンとマイケル・ソロカも復帰を目指している。7月27日以降ブルペンに回っているベン・ブラウンも先発の経験がある。先発の頭数が揃っているというチーム事情もあり、カウンセル監督はリリーフ経験のないシバーリをリリーフで起用する方針を明らかにした。

 シバーリ獲得について、カウンセル監督は「これはイニングのパズルを解き、確実にイニングを消化していくための補強だ」とコメント。「アーロンはブルペンの一員として起用することになる。必要なときに長いイニングを投げてもらうつもりだ。また、何かあったときのための保険として、必要に応じて先発できる投手を確保しておきたいという狙いもある」と説明した。


spotvnow