アルバレス&スタッブス 新人バッテリーがナショナルズを完封勝ちに導く
2025.9.2 08:12 Tuesday
【ナショナルズ2-0マーリンズ】ワシントンD.C./ナショナルズパーク、9月1日(日本時間2日)
2008年以降初めて、ナショナルズの先発投手と捕手が同じ試合でメジャーデビューを果たした。もし初日ならではの緊張があったとしても、アンドリュー・アルバレスとC・J・スタッブスはそれを全く見せなかった。
本拠地でのマーリンズ3連戦の初戦、この新人バッテリーは五回途中までマーリンズ打線を無安打に封じ、2-0の完封勝利に貢献した。デビュー戦で5イニング以上を無失点に抑えた投手はアルバレスがナショナルズ史上初めて(本拠地がワシントンD.C.に移転した2005年以降)。また、デビュー戦で完封勝利を収めた捕手はスタッブスがナショナルズ史上初めてであり、メジャー全体でも2019年9月4日のショーン・マーフィー(当時アスレチックス、現ブレーブス)以来となった。
28歳のスタッブスは「僕たちはこの思い出を一生共有できるだろう」と語った。
1日(同2日)にロースター枠が26人から28人に拡大され、ナショナルズはマイナー3Aのロチェスターからアルバレスを昇格させた。また、2日前には左手中指を骨折して負傷者リスト入りしたドリュー・ミラスに代わり、スタッブスがメジャー昇格を果たしていた。マイナー時代からバッテリーを組んでいたこともあり、その関係性がメジャーデビュー戦でもポジティブに機能した。
26歳のアルバレスは「マイナー時代からお互いのことを知っているから、より快適に、落ち着いてプレーすることができた。(2人でバッテリーを組むことができて)最高だったよ。彼にとても感謝しているし、素晴らしいリードをしてくれた。彼の勝利と言っていいと思う」と相棒への感謝を口にした。
アルバレスは五回1死までマーリンズ打線にヒットを許さなかった。五回1死からエリック・ワガマンに四球を与え、ビクター・メサJr.にレフトへのヒットを浴びて一、二塁のピンチとなったが、ハビアー・サノーハを内野ゴロ、ジョーイ・ウィーマーを9球のバトルの末に空振り三振に仕留め、無失点に抑えた。
ミゲル・カイロ監督代行は「彼はとても落ち着いていた。積極的にストライクを投げ込んでいたし、その点はわれわれも高く評価している。変化球の使い方もよかった。スタッブスがアルバレスの投球スタイルをよく理解しているから、彼らはゲームプランに沿って、本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と新人バッテリーを称えた。
アルバレスは5回81球(うちストライク44球)を投げて1安打無失点、4三振、2四球という内容でデビュー戦を終えた。ナショナルズの先発投手がデビュー戦で白星を手にしたのは、2008年7月1日(マーリンズ戦)のコリン・バレスター、2009年4月20日(ブレーブス戦)のジョーダン・ジマーマン、2010年4月23日(ドジャース戦)のルイス・アティラーノ、2010年6月8日(パイレーツ戦)のスティーブン・ストラスバーグ、2024年4月15日(ドジャース戦)のミッチェル・パーカーに次いで6人目である。
マイナー時代のチームメイトでもあるブラッド・ロードは「彼は素晴らしい投手だ。本当に素晴らしいボールを投げるし、変化球もチェンジアップもいい。真の競争心を持っている。マウンドに立てば、相手チームと競い合い、毎回全力を尽くすんだ」とアルバレスについて語った。
26歳のアルバレスは2021年ドラフト12巡目指名でプロ入り。2023年には球団のマイナー最優秀投手に選出された。今季は3Aでの25先発で3勝7敗、防御率4.10、114三振、52四球を記録。7月29日以降の6先発では3勝0敗、防御率2.37、被打率.170の好成績を残し、それがメジャー昇格につながった。
「ウォーミングアップ中に少し感傷的な気持ちになった」とアルバレス。「この機会を得るために一生懸命頑張ってきたから、本当に感謝している。ナショナルズを代表して先発のマウンドに立てるのは光栄だし、本当に感謝しているよ」とデビュー戦を振り返った。
スタッブスはマイナーのFAとして2024年5月14日にナショナルズ入団。もともとは2019年ドラフト10巡目でアストロズから指名を受けた。今季マイナーでは2Aと3Aで合計66試合に出場し、打率.148、7二塁打、1三塁打、3本塁打、15打点という成績にとどまったが、捕手陣に複数の負傷者が出たことにより、メジャー昇格の機会が巡ってきた。
「正直に言うと、1カ月前にはメジャーデビューできるなんて想像もしていなかった」とスタッブス。「だから、ここにいることができて本当にうれしいんだ」と感無量の様子だった。
ナショナルズの先発投手と捕手が同じ試合でメジャーデビューを果たしたのは、2008年9月4日のシャイロン・マルティスとルーク・モンツ以来。メジャー全体では2023年7月17日にパイレーツのクイン・プリースターとエンディ・ロドリゲスが新人バッテリーを組んで以来のことだった。
カイロ監督代行は「興奮して鳥肌が立ったよ。マイナーで一生懸命努力してきて、あれほどのピッチングとリードを見せてくれたんだからね。選手としても、1人の人間としても、本当に素晴らしい気分だと思うよ」と興奮気味に話していた。