アストロズ・ガルシアが2023年5月1日以来の復帰戦で勝利投手に
2025.9.2 10:15 Tuesday
【アストロズ8-3エンゼルス】ヒューストン/ダイキンパーク、9月1日(日本時間2日)
アストロズのクラブハウスで最も人気のある選手の1人であるルイス・ガルシアが28カ月ぶりにメジャーのマウンドに戻ってきたことは、本拠地ダイキンパークのあらゆる場所で誇りと喜びをもって迎えられた。
アストロズのジョー・エスパーダ監督は試合後、クラブハウスでガルシアを抱きしめ、「誇りに思う」と伝えた。ホセ・アルトゥーベは笑顔を見せながら、ガルシアの登板について話していた。観客席ではガルシアの母親と兄弟が試合を観戦し、トミー・ジョン手術と複数回にわたる挫折を乗り越えて辿り着いた、2年間の努力の結晶である一戦の喜びを分かち合った。
2023年5月1日以来の登板となるガルシアは、本拠地でのエンゼルス4連戦の最終戦のマウンドに立ち、6回3安打3失点の力投。チームの8-3の勝利に貢献した。これにより、アストロズはエンゼルス4連戦を2勝2敗で終了。ガルシアは自身の復帰登板を振り返り、「困難で長かった道のりの終焉だ」と語った。
「緊張はしなかったけど、いろんな感情が湧き上がってきたんだ」とガルシア。「平静を保とうと努めたよ」と感情的にならず、平常心で試合に臨むことを心掛けた。
ガルシアは79球を投げ、6三振を奪った一方で、四球を1つも与えなかった。最初の3イニングをパーフェクトに抑え、四回途中から打者8人を連続でアウトにして6イニングを投げ抜いた。失点は四回に浴びたザック・ネトの25号ソロとジョー・アデルの31号2ランによる3点だけ。6回3安打3失点の力投だった。
エスパーダ監督は「彼がマウンドに立ち、相手チームと競争し、笑顔を浮かべているのを見るだけで、本当に誇らしく思った」とコメント。「彼はここまで来るために本当に努力した。本当に素晴らしいピッチングをしていた。カットボールがよかったし、必要なときには高めのファストボールを有効に使えていた。ど真ん中に投げるのを避け、非常に効果的なピッチングをしていたね」とガルシアのピッチングを絶賛した。
腕の動きがさらにコンパクトになったように見えるガルシアのピッチングは、2023年の登板と比較して球速が大幅に低下。カットボールは3.3マイル(約5.3キロ)、カーブとスイーパーは2.9マイル(約4.7キロ)ほど球速が遅くなっていた。フォーシームに頼る場面も多かったが、フォーシームの平均球速も92.7マイル(約149.2キロ)で、以前と比較して1.3マイル(約2.1キロ)ほど低下していた。
ガルシアのピッチングについて、エスパーダ監督は「私から見て、彼の強みはカットボールとファストボールのコマンドであり、それを生かしたピッチングをすることができていた」と振り返る。「狙ったところへ投げることができていたし、ゲームプランを実行することもできていた。2年間投げていないという事実を考慮すれば、強力打線を相手に6イニングを投げ切ったのは本当に素晴らしい。彼には脱帽だよ」と賛辞は止まらなかった。
ガルシアはマイナーでのリハビリ登板時にもみられた球速の低下について、それほど心配しておらず、時間とともに改善すると考えている。また、2年前とは異なる投手になっていることも認めた。
「メンタル的な部分が少し変わったと思う」とガルシア。「よりコンスタントにゾーン内を攻めるようになった。自分の仕事には自信がある。ゾーン内にしっかりコントロールしないといけない。僕はかなり負けず嫌いだし、球速も次第に上がってくると思う。もっと速い球を投げられると感じているけど、無理をして腕を痛めるようなことはしたくないんだ」と語った。
アストロズはエンゼルス先発の菊池雄星に対し、二回から六回まで5イニング連続で1得点。二回にラモン・ウリアスの10号ソロで先制すると、逆転された直後の四回にウリアスが同点タイムリーを放ち、五回にはカルロス・コレアのタイムリーで勝ち越した。六回にジェレミー・ペーニャのタイムリー二塁打で5点目を奪い、八回にはダメ押しの3得点。アルトゥーベの24号2ランがとどめの一打となった。
アルトゥーベは「本当にうれしいよ。チーム全員、球団全体が(ガルシアの復帰を)喜んでいる。彼は健康を取り戻し、再びチームの一員としてフィールドに立てるように、一生懸命努力してきた。素晴らしい男だし、今日は素晴らしいピッチングをしてくれた。僕たちに勝利のチャンスを与えてくれたからね」とガルシアの復帰を喜んだ。
ガルシアはリハビリのプロセスを通して、アルトゥーベをはじめとするチームメイトやコーチ陣、トレーニングスタッフたちに支えられてきた。リハビリ中に2度の大きな挫折を経験したが、笑顔と前向きな姿勢を忘れず、辛い日々を乗り越えた。
そして、ようやく訪れた復帰登板。ガルシアだけでなく、チーム全体が笑顔を見せていた。
「彼は肉体的にも精神的にも強い選手であり、ここまで来られたことを本当に誇りに思う」とエスパーダ監督。「試合後、彼を強く抱きしめて『キミが今日やったことは簡単じゃないんだ』と伝えたよ。(大きな手術を受けたあと)多くの選手は自分自身に疑問を抱き始める。本当にマウンドに戻れるのかと不安になるんだ。でも、彼は今日それをやり遂げた。本当に誇りに思うよ」と語った。