ポール・スキーンズがドジャースを圧倒 サイ・ヤング賞は確実か
2025.9.5 14:44 Friday
【パイレーツ5-3ドジャース】ピッツバーグ/PNCパーク、9月4日(日本時間5日)
ナ・リーグサイ・ヤング賞候補のポール・スキーンズ(10勝9敗)が6回無失点の好投で、パイレーツを勝利に導いた。若手投手陣の活躍で中地区最下位のパイレーツは、西地区首位のドジャースをスイープ(3連勝)。スキーンズは防御率を再び1点台とし、サイ・ヤング賞レースで独走体勢に入った。
スキーンズにケチを付けるのは難しい。23歳の右腕は既に新人王、デビューからの2シーズンで2年連続のオールスターゲーム先発など多くの栄誉を手に入れ、今季は自身初のサイ・ヤング賞を手にするだろう。唯一ケチを付けられる点が、個人勝敗では黒星が先行していることだったが、この日10勝目を手に入れたスキーンズは「もう私についてそんなことは言えないよ」といたずらっぽく笑った。
スキーンズは10勝9敗、防御率1.98(両リーグ1位)、195三振(ナ・リーグ1位)の成績を収めており、サイ・ヤング賞獲得はほぼ間違いない。パイレーツの選手として1990年のダグ・ドレイベック以来3人目の受賞者となるだろう。
パイレーツのドン・ケリー監督は喜んでサイ・ヤング賞投票における広報の役目を引き受けるだろう。「もちろん、彼の仕事ぶり、闘志、持ち前の才能、そして彼の仕事への取り組み方。私たち全員が彼のためにそれ(サイ・ヤング賞)を望んでいる。願わくば、今年こそ受賞してほしい。今年であろうとなかろうと、彼はサイ・ヤング賞に値する投手だ。彼が受賞すれば、ポールにとっても球団にとっても大きな意味を持つだろう」と、受賞を熱望している。重ねて「ポールのこと、そして彼の物事への取り組み方を知っていると、本当に感銘を受けるのは、彼がそうするのはサイ・ヤング賞が理由ではないということだ。彼は本当により良くなりたいから、偉大になりたいから、そうするんだ。そして、彼はマウンドに立って、ピッツバーグ・パイレーツの勝利に貢献したいんだ」と、スキーンズの姿勢に賛辞を惜しまなかった。
MLB3位の平均得点を誇る強力ドジャース打線に対し、スキーンズはわずか2安打、8三振(ナ・リーグMVP最有力候補の大谷からの2三振含む)、1四球と好投した。「こういうのが楽しいんだ。間違いなく野球界最強のチームを相手にホームでスイープを狙うのは、最高のチャンスだ。決して軽視してはいけない」と、強敵との対戦を楽しんだ。
また、自身初のサイ・ヤング賞獲得に向けて視界は良好だが、スキーンズはまだ気を緩めていない。「結局は良いピッチングをすることに尽きる。良いピッチングをしても失点することはあるし、良いピッチングをしても失点しないなんてありえない。残り4、5試合の先発が残っている。オフシーズンに入る前に、何もやり残したくはない。去年と同じ考え方だ。どこに行っても結果には関わらないが、何もやり残したくはない」と、全てを出し切るつもりだ。
そして、いかにスキーンズが好投しようと、打線の援護がなくては前半戦のように黒星が増えてしまうだろう。後半戦に入ってから6勝1敗と勝ち運が巡ってきたスキーンズのバックには、ケリー新監督のもと生まれ変わったチームがいる。ケリー監督が5月に就任するまでチームは12勝26敗だったが、就任後は52勝51敗。特に直近16試合では12勝を挙げている。
スキーンズは好調なチームについて「いい野球ができている。個人として、あるいはチームとして、自信がどこから来るのかは分からない。ある程度は成功から来ると思う。だから、自分たちにはできるということを証明できたと思う。それが自信につながっているんだ」と語った。