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メッツが有望株スプロートを昇格へ 不振に苦しむ千賀の処遇は

2025.9.5 14:31 Friday

 メッツは球団No.5有望株ブランドン・スプロートを昇格させる。昇格は正式発表されていないが、ワイルドカードを争うレッズとの直接対決3連戦の最終戦である7日に先発する予定だ。メッツはスプロートのみならず、ノーラン・マクリーン、ジョナ・トンといった有望株投手が立て続けにデビューし、インパクトを残している。元々、7日に先発予定だった千賀滉大の処遇が注目される。

 2023年ドラフト2巡目のスプロートは、昨季24登板(23先発)で防御率3.40、9回あたりの奪三振10.13個とブレイク。一気に1Aから3Aへ昇格し、「MLBパイプライン」の有望株ランキングでは球界43位に入る大出世を果たした。今季は3Aで26登板(25先発)で防御率4.24、9回あたりの奪三振8.40個とやや成績は落としたが、持ち前の剛速球は健在。さらに改良したチェンジアップ、シンカー、スイーパー、高速のスライダー、カーブと多彩な球種も持ち合わせる。

 「私にとっての成功とは、『よし、結局のところ、すべてのボールを信念を持って全力で投げられたか?』ということだ。もしそれができたなら、勝とうが負けようが、私にとってはそれが成功だ。それが、コートに出て戦い、勝利する最高のチャンスを与えてくれるんだ」とスプロートが語るように、全力投球が身上。優れた質の球種で圧倒するスタイルだ。

 一方で「彼は球種の質では誰にも引けを取らない投手だ。今は投球の仕方を学んでいる最中で、一巡目だけでなく三巡目まで抑える方法を学んでいる。打者はそれに適応していくだろうから」と、カルロス・メンドーサ監督がスプリングトレーニング中に語ったように、投球技術にはまだ伸びしろを残す。

 スプロートは5月末まで防御率6.02と不振に陥っていたが、6月末からは6登板で防御率0.55と復調。それ以降は安定感を失ったが、苦戦するメッツの先発ローテの解決策となるかもしれない。

 中でも苦戦しているのが、スプロート昇格まで7日の先発予定だった千賀滉大だ。千賀はシーズン成績では防御率3.02と悪くないが、7月以降は防御率5.90と不振。9先発で39.2回とイニングを消費できず、さらに39三振に対して24四球と内容も芳しくない。不振を受け、メッツは千賀にマイナーへの任意降格を受け入れるよう要請することを検討すると報じられている。そして千賀のみならず昨季の躍進に貢献したショーン・マナイアも不振に苦しんでいる。

 ベテラン勢が不振に苦しむのとは対照的に、メッツは新人が大活躍している。マクリーンはデビューからの4先発で4連勝、22歳のトンもデビュー戦で5回1失点6三振とポテンシャルを発揮した。マクリーンは現状のローテーションでエースの役割を担っており、トンとスプロートも活躍すれば、メッツのポストシーズンでのローテーションには新人がひしめく可能性もある。

 ワイルドカード3位のメッツは、同5位のレッズと直接対決3連戦を迎える。6日の第2戦はトン、7日にはスプロートが先発する。8日からは6ゲーム差で追う首位フィリーズとの直接対決が始まり、その初戦にはマナイア、2戦目にはマクリーンが先発する予定だ。メッツが千賀を短期的なプランにどう組み込むか、あるいはそもそも組み込むのかどうかは、まだ不透明だ。


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