珍チャレンジが貴重な追加点に マリナーズが接戦制して首位再浮上
2025.9.19 10:26 Friday
【ロイヤルズ0-2マリナーズ】カンザスシティ/カウフマンスタジアム、9月18日(日本時間19日)
ルイス・カスティーヨが6回無失点の好投で、マリナーズをロイヤルズとのシリーズ勝ち越しに導いた。マリナーズ(84勝69敗)は試合がなかったアストロズ(84勝69敗)とア・リーグ西地区首位に並んでおり、19日(日本時間20日)からヒューストンで直接対決3連戦が始まる。
前日に連勝が10で途絶え、マリナーズは西地区首位から陥落。アストロズとの一騎討ちを控えるマリナーズは、まずカンザスシティで勝利を収める必要があった。先発のカスティーヨは6回無失点、3安打、無四球と好投。32歳の右腕は二回までに40球を費やしたが、終わってみればわずか84球で3先発連続のクオリティースタートを記録した。
「ベテランの存在感と状況把握力。今日は間違いなく我々が彼に求めていたことをやってくれた。彼は長年このゲームに関わってきて、経験豊富だから、そういう瞬間や状況を察知できる。そしてきょう素晴らしい結果を出してくれた」とダン・ウィルソン監督は絶賛した。
カスティーヨは再び変化球を駆使し、ロイヤルズ打線に強い打球を許さなかった。「ここ数回の先発から、変化球、特にチェンジアップの練習を少し増やしてきたと思う。カウントに関係なく、自信を持って投げられるようになったと思う」修正が功を奏し、9月は防御率2.86を記録している。
一方、カスティーヨが好投する中、マリナーズ打線はロイヤルズ先発のスティーブン・コレックに苦戦。二回にホルヘ・ポランコのタイムリー二塁打で先制したが、それ以降は快音響かず、7回1/3まで1失点、8三振に抑えられていた。しかし、マリナーズは好投していたコレックを珍しい方法で降板させ、試合の流れを変えた。
八回1死走者なしの場面でドミニク・キャンゾーンは平凡なセカンドゴロに倒れた。しかし、ここでマリナーズはチャレンジを要求。チャレンジの結果、ロイヤルズの二塁手マイケル・マッシーのかかとが投球時に外野の芝を踏んでいたことがわかり、審判団はシフト・バイオレーションを宣告。1死一塁から試合は再開となり、マリナーズは代わった2番手・リンチからタイムリーで追加点を入れた。
シフト・バイオレーションのルールは投手が投球する間、4人の内野手は内野の境界(土の部分)にいなければならないことを規定している。そしてチャレンジできるのは、その選手が打球に対して最初に触れた場合のみであり、マリナーズはマッシーを注意深く観察していた。
マリナーズのリプレイコーディネーターのアンディ・ビッセルは「2球前に(フィールドコーディネーターのルイス・ボイドに)電話して、『もしマッシーにボールが飛んだら、連絡して。たぶんチャレンジするよ』って言ったんだ。そして案の定、キャンゾーンがマッシーにボールを打った。かかとが芝生に埋まっていたことを示す証拠は十分にあった」と、チャレンジを要求できるタイミングを虎視眈々と狙っていた。
2-0で接戦を制し、マリナーズは再び首位に立った。19日(同20日)から敵地で始まるアストロズとの3連戦は、ポストシーズン争いを占うタイブレーカー(レギュラーシーズン162試合終了時点で勝敗が並んだ場合、直接対決で勝ち越したチームを上位とするルール)、そして地区優勝そのものを決定する可能性がある。「楽しみだ。今日勢いに乗れたのは大きいが、準備は万端でなければならない。そして、準備は万端だ。だからこそプレーするんだ。ワクワクするよ。全員が準備万端だと思う。さっきも言ったように、きょうは勢いに乗って、ヒューストンでいよいよ試合が始まるんだ」と、ダン・ウィルソン監督は意気込みを語った。