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マルテの美技でレッズが逃げ切り プレーオフに望みつなぐ

2025.9.26 15:51 Friday

【レッズ2-1パイレーツ】シンシナティ/グレートアメリカンボールパーク、9月25日(日本時間26日)

 レッズはミルウォーキーで行われるレギュラーシーズン最後の3連戦のために短くて3日間、ポストシーズンに進出してワイルドカードシリーズを突破すれば長くて10日間に及ぶ遠征のため、荷物をまとめた。「これは誰が信じているかを見極めるのに非常に良いテストになると思う」と語ったテリー・フランコーナ監督は、世界一2度を成し遂げた名将だ。「10枚の下着を詰め込んだ人を見れば、彼らは信じていると分かる。2枚しか持っていない人を見れば、その人を外したくなるかもね」

 ナ・リーグワイルドカード4位のレッズは2-1でパイレーツに勝利。九回にノエルビ・マルテが同点を阻止する本塁打キャッチで、チームを救い、ワイルドカード獲得に望みをつないだ。

 「あの状況下では、あれはこれまで見た中で最高のプレーの一つだ。試合展開、シーズンの時期、そして彼がどれだけ高い位置までジャンプしたかを考えると、素晴らしいプレーだった」とフランコーナ監督。本塁打キャッチに救われたエミリオ・パガーンも、「最初に打った時は、打ち上げ過ぎだと思った。ノエルビを見始めたばかりだったんだけど、追い続けていたから『まさか、冗談でしょ』って思った。でも、オデル・ベッカム(NFLの元スターワイドレシーバー)みたいにキャッチして、試合を救ってくれたんだ」と称賛した。

 マルテは実は外野手を3ヵ月前から始めたばかりだ。本職は三塁手だが、デビューから2年は守備面で苦戦。今季はゴールドグラブ2度受賞の三塁手キブライアン・ヘイズがトレード加入したことで、7月から本格的に外野へ転向した。「この瞬間にホームランを奪えたことは、本当に最高だ。あのプレーが必要だった。こんな気持ちは初めてだ」

 レッズは地区最下位のパイレーツに連敗し、ポストシーズン進出に暗雲が垂れこめていた。しかし、この日行われた3連戦の最終戦ではニック・ロドロの好投、そしてマルテの本塁打キャッチで勝利。81勝78敗とし、ワイルドカード3位メッツに0.5ゲーム差に迫った。フランコーナ監督は「どんな形容詞をつけても構わない。魔法、必死さ。試合は同点。あのプレーで失点がなくなった。スコアは2対1。だから計算できる。私にだってできる」と、マルテのプレーが与えた影響を語った。

 6回1/3で無失点、12三振を記録したロドロは「みんな飛び上がって、大騒ぎだった。彼の活躍が嬉しい。これまでプレーしたことのないポジションに適応しようと努力してきたんだ。ああいうプレーができるなんて、本当にすごい」と、マルテの舞台裏の努力を称えた。さらにフランコーナ監督は「彼はこの3ヵ月間、カウギルと本当に熱心に練習してきた。本当にすごいことだ」と、マルテを育てた一塁・外野コーチのコリン・カウギルへの言及も忘れなかった。

 土壇場の好守だけでなく、マルテは五回に先制タイムリーを放って打撃でも活躍。「正直に言って、自分自身に満足している。これまでずっと懸命に練習に取り組んできた。そして、その成果が実を結んだのを見ることができて、本当に嬉しい。最高の気分だ」

 レッズはシーズン最後の3連戦を首位ブルワーズと戦う。ブルワーズは2021年以降、過去13シリーズ全てでレッズに勝ち越しており、過去15シリーズ中14シリーズ、そして過去19シリーズ中17シリーズで勝利している。ワイルドカード3位のメッツ(カブスと対戦中)と1ゲーム差で最後の3連戦を迎える場合、レッズにとってはメッツ戦など他会場の結果もポストシーズン進出に影響する。ただ、パガーンは過去の対戦成績を意に介していない。「今、誰と対戦するかは、あまり重要ではない。気にしていない。とにかく、力強く終えて、チャンスを掴みたいだけだ。もちろん、これまでの経緯を考えると、話題にはなるだろう。でも、私たちは違うチーム。前回ミルウォーキーに来た時や、ここ数年対戦してきたチームとは違うチームだ」


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