ブルージェイズ同率首位キープ 31歳ルーカスが値千金の決勝アーチ
2025.9.27 13:14 Saturday
【ブルージェイズ4-2レイズ】トロント/ロジャースセンター、9月26日(日本時間27日)
生き残り、前進し、繰り返す。今季のブルージェイズはそうして戦い続けてきた。2015年以来となる地区優勝に向けて、レギュラーシーズンの終了が迫る中、レイズ3連戦の初戦に4-2で勝利。レギュラーシーズンは残り2試合だ。
ヤンキースも勝利したため、2チームが同率首位に並ぶ状況に変わりはない。ただし、直接対決ではブルージェイズが勝ち越しているため、同率首位の場合はブルージェイズが地区優勝となる。27日(同28日)の試合前までには、シャンパンやビール、そしてスイミングプールを満たすほどの氷がロジャースセンターに運び込まれるだろう。ブルージェイズが勝利し、ヤンキースが敗れた場合、地区優勝が決定するからだ。
この試合の勝利は、前日の試合でドールトン・バーショが満塁弾を放ったときのような、劇的な試合展開ではなかった。しかし、ブルージェイズが必要としていた「普通の勝利」だった。チームを地区首位に押し上げた、6~7月の快進撃のときの勝利に似ていた。こうした数々の勝利のおかげで、ブルージェイズは長年にわたってチームを苦しめたワイルドカード・シリーズを回避し、地区シリーズから出場できる可能性が高まっている。
この試合でヒーローとなったのはネイサン・ルーカスだ。今季のブルージェイズは日替わりでヒーローが登場するのが特徴だが、またも予想外のヒーローが出現した。
ブラディミール・ゲレーロJr.がシーズン終盤に失速し、ボー・ビシェットを負傷で欠く中、ブルージェイズは再び「その他の選手たち」に頼らざるを得なくなった。しかし、この選手層の厚さが今季のブルージェイズの快進撃を支えてきたのだ。もちろん、ジョージ・スプリンガーの輝かしい復活劇もチームを大いに助けた。しかし、多くの試合ではジョン・シュナイダー監督がクジ引きで選んでいるかのように、日替わりのヒーローが誕生した。この試合はルーカスの番だった。
初回に先制タイムリーを放ったルーカスは、2-2の同点で迎えた五回に勝ち越しの12号2ラン。ヤンキースがオリオールズ戦で勝ち越した瞬間に飛び出した一発は、ルーカスのメジャー生活で最も重要なスイングとなった。31歳のルーカスだが、まだメジャー3年目で、出場したのは通算184試合だけ。主力選手が欠場した穴を埋める役割を担ってきたが、彼自身は「もっとできるはず」と感じてきた。走攻守すべてにおいてメジャーレベルの実力を持つ、非常に堅実な選手であり、今季は攻守両面で見事な活躍を披露。キャリアハイを大幅に更新する12本塁打を放ち、チームにとってサプライズの1つとなった。
レイズ3連戦の2戦目には様々な注目ポイントがある。その1つが22歳の有望株トレイ・イェサベージのピッチングだ。メジャー3度目の先発登板を迎えるイェサベージだが、2度目の先発登板ではチームがポストシーズン進出を決めた。この若手右腕には、何か魔法のような力が備わっているのかもしれない。ブルージェイズはイェサベージが先発する一戦で地区優勝を決める可能性がある。
もしレギュラーシーズン最終戦まで優勝争いが続く場合、162試合目に先発するのは、おそらくエース右腕のケビン・ゴーズマンだろう。シーズンで最も重要な試合にエースが登板することになる。しかし、もし最終戦にゴーズマンが投げ、地区優勝を逃した場合、超短期決戦のワイルドカード・シリーズでエースが投げられないのは痛手だ。1日でも早く地区優勝を決めることには大きな意味がある。
また1日生き残ったブルージェイズ。あと2試合生き残ることができれば、地区優勝はブルージェイズのものだ。